ポクレン(Poclain): 2025年9月26日
フランスのポクレン(Poclain)は、オフロード農業機械向けに開発した電動化・油圧ソリューションを「Agritechnica 2025」(11月9日~15日、ドイツ・ハノーバー)に出展し、性能、効率、持続可能性の向上を提案する。
同社は、トラクタやスプレーヤ、ホイールローダーといった農業機械向けの最新パワートランスミッションおよび電動化技術を披露。会場のスタンド「16B18」では、OEMや開発担当者向けに、システム設計やカスタムソリューションに関する技術的な知見を提供する。ポクレンは「Hydraulics & Beyond(油圧とその先へ)」をテーマに、油圧技術革新と電動化を両輪とした将来ビジョンを打ち出す。
■HEVO技術と電動ポートフォリオを公開
今回の展示では、油圧駆動分野での新技術「HEVO」および包括的な電動化ソリューションが注目の目玉となる。
「HEVO Dual」は、油圧流量の最適化によってエネルギー使用を抑制し、通常時は小排気量で高効率運転を行いながら、必要な場面では大トルクを確保できる設計。さらに「HEVO-BOOSTER」はカムローブ式ラジアルピストン技術を基盤とし、アクチュエータが高負荷を必要とする時のみ圧力を増幅する仕組みを備える。これによりポンプの高圧稼働負荷を軽減し、アクチュエータの小型化やシステム全体の効率向上を実現する。
また、電動化分野ではEホイールモータ、インバータ、制御システムなどを出展。これらはモジュール化・スケーラブル設計を特長とし、幅広い車両アーキテクチャに適用可能で、メーカーによる電動化移行を加速させる。
■技術選択の柔軟性を強調
ポクレンは、油圧・電動・ハイブリッドを問わず、用途ごとに最適な技術を採用する「技術アグノスティック」な姿勢を掲げる。持続可能性の目標と高い運用要求を両立させる柔軟なソリューションを提供することで、農業機械の次世代化を後押しする考えだ。
同社は「最も厳しい環境下でも高効率を維持できる高性能・高信頼の駆動システムを通じ、農業機械の未来を切り拓いていく」としている。
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