・環境対応へ新たな一歩、建機・車両・農機分野で
ボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth):2025年9月24日
ロール・アム・マイン(ドイツ)発、油圧機器大手のボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth)と潤滑油メーカーのペトロナス・ルブリカンツ・インターナショナル(PETRONAS Lubricants International、PLI)は9月22日、イタリア・トリノで戦略的提携に合意した。協業の目的は、オフハイウェイ建機や農業機械向けに、従来の鉱物油に代わるより持続可能な作動油・トラクタ用総合油(UTTO)の開発と普及を推進することにある。
■バイオ系エステルによる新配合
今回の取り組みでは、レックスロスが定める「Fluid Rating」規格を満たすことを前提に、バイオベースやリリファインド(再生精製)油を活用した次世代油剤の技術開発と市場導入が進められる。PLIの製品ポートフォリオには初めて、生分解性のバイオ系エステル配合UTTO油が加わる見通しで、油圧システムやギヤ、湿式ブレーキなどに用いられる用途で、鉱物油に匹敵する性能を維持しつつ高いエネルギー効率を発揮するとされる。
■両社トップのコメント
ボッシュ・レックスロスのCEO、ステフェン・ハック(Steffen Haack)博士は「今回の提携は、油圧分野における持続可能性追求の一歩であり、従来の鉱物油に代わる環境負荷の低い選択肢を顧客に広げることが目標だ」と述べた。
一方、PLIのカリル・ムリ(Khalil Muri )CEOは「産業用分野での事業拡大戦略の一環であり、両社の専門性を組み合わせることで、低炭素・高効率の流体を農業機械、建設機械のみならず定置式油圧設備向けにも提供できる」と意欲を示した。
■役割分担と将来展望
提携において、ボッシュ・レックスロスが流体要件の定義、試験、認証を担い、PLIが開発・製造・流通を担当する。期間は当面5年間とされるが、その先には共同で持続可能流体のビジネスモデル構築に発展させる計画。
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