極東開発工業は9月24日、同社および子会社の日本トレクス(愛知県豊川市)が製造する架装物の販売を巡り、独占禁止法違反にあたる行為が認定され、公正取引委員会から排除措置命令と課徴金納付命令を受けたと発表した。課徴金額は計59億2,553万円で、このうち極東開発工業が26億189万円、日本トレクスが33億2,364万円を負担する。なお課徴金は減免制度適用により30%減額されている。
■排除措置と業務改善
命令では、他社との価格協定を消滅させたことの確認や、今後は販売価格を自主的に決定すること、競合他社との情報交換を禁止することなどが盛り込まれた。さらに役員・従業員への独禁法遵守に関する研修や内部監査体制の強化も義務付けられた。
■再発防止への取り組み
同社は、リスク管理委員会の設置、社内規定や行動指針の整備、社外弁護士を交えた調査、全社員向け研修、内部通報制度の周知など、11項目にわたる再発防止策を策定した。布原達也社長は「グループ一丸となって法令遵守を徹底し、信頼回復に努める」とコメントしている 。
■役員報酬の自主返納
今回の責任を明確にするため、極東開発工業および日本トレクスの関係役員計8名が報酬の一部を自主返納する。布原社長と日本トレクス社長は月額報酬の30%を3か月間返納し、その他の取締役・執行役員も10~20%を3か月間返納する。
■業績への影響
2025年7月に独禁法関連損失引当金として約59億円を特別損失に計上済みであり、今回の命令による2026年3月期業績予想や配当予想への影響はないとしている。