・データサイエンスによる自動車部品開発を推進
ショックアブソーバー大手のカヤバ(旧・KYB )は9月22日、国立大学法人東京科学大学と共同で「カヤバ データ駆動型機械要素設計革新協働研究拠点」を9月1日、東京科学大学すずかけ台キャンパス内に設置したと発表した。設置期間は2028年8月末まで。
同拠点は、デジタル技術とAI技術の活用により、従来の設計開発手法では困難だったデータ科学ベースの革新的な機械要素設計技術の確立を目指す。特に自動車用緩衝器の主要構成部品であるゴム材料(ソフトマター)の開発技術と、車両レベルでの官能評価技術において、データサイエンスを活用したブレークスルーの実現を狙う。
研究テーマは「データ科学との融合による機械要素の設計・評価技術に関する研究」を掲げ、具体的には①自動車の運転操作・乗車における官能・感性の評価予測技術に関する研究、②ゴム材料開発技術に関する研究の2分野に取り組む。
拠点長には東京科学大学総合研究院バイオインターフェース研究ユニットの小池康晴教授が就任。副拠点長には同大学総合研究院化学生命科学研究所の宍戸厚教授とカヤバ技術本部基盤技術研究所の伊藤隆所長が就く体制となった。
カヤバでは「自動車産業の大変革期において、社会課題解決を目的とした付加価値が求められる中、単独では実現困難なデータ科学を基盤とした設計技術革新を産学協働で進める」としている。同社が長年培ってきた精緻な品質管理技術とモノづくり基盤技術に、東京科学大学のデータサイエンス技術を融合させることで、ユーザーの感性や嗜好まで考慮した新たな価値創出を目指す。
また、両者は本協働を通じてイノベーション創出を担う人材育成も推進していく方針。製品開発サイクルの飛躍的効率化と、これまでにない品質・機能の実現により、将来の多様化社会における安全性・快適性の向上に貢献するとしている。
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