パーカー・ハネフィン、カーティス・インスツルメンツを10億ドルで買収完了

・電動化技術の強化で建機・車両市場での地位向上を図る

パーカー・ハネフィン・コーポレーション (Parker-Hannifin Corporation ):2025年9月18日

クリーブランド発— 動作制御技術の世界的リーダーであるパーカー・ハネフィン・コーポレーション(NYSE:PH)は18日、レールコ社からカーティス・インスツルメンツ社(Curtis Instruments, Inc.)を約10億ドル(現金、約1,480億円)で買収する取引が完了したと発表した。

カーティス・インスツルメンツは、モーター速度制御装置、計測機器、電力変換機器、入力デバイスの設計・製造を手がけ、パーカーが持つ電動・ハイブリッド車両用モーター制御技術や、建機市場向けの油圧・空圧技術を補完する事業ポートフォリオを有している。同社の2025年暦年売上高は約3億2,000万ドル(約474億円)を見込んでいる。

ジェニー・パーメンティア会長兼最高経営責任者(CEO)は「カーティスチームをパーカーに迎え入れることができ、両社の強みを結集して加速的な成長機会を創出していくことを楽しみにしている」と述べた。同氏はさらに「両組織のメンバーで構成される統合チームを編成した。当社の実績ある事業システム『ザ・ウィン・ストラテジー™』を活用し、最高水準の顧客体験、強固な事業シナジー、株主価値の創出を実現できると確信している」と語った。

パーカーのモーション・システムズ・グループのベレンド・ブラクト社長は「カーティスは高い業績と革新性を持つ企業であり、当社のモーション・システムズ・グループに参加してもらえることを嬉しく思う」とコメント。「カーティスは既存の電動化プラットフォームに補完的な技術を追加し、電動・ハイブリッドソリューションの採用を続ける顧客により良いサービスを提供できる立場に押し上げてくれる。カーティスはパーカーの規模拡大、集中化、投資から恩恵を受けると確信している」と期待を示した。

パーカー・ハネフィンは、フォーチュン250社にランクインする動作制御技術の世界的リーダー企業。1世紀以上にわたって、より良い明日につながるエンジニアリングの突破口を切り開き続けている。同社は69年連続で年間配当の増配を実現しており、これはS&P500指数構成銘柄の中で上位5位に入る長期記録となっている。

■市場への影響
この買収により、パーカー・ハネフィンは電動化市場での競争力を大幅に強化する。特に建設機械や産業車両の電動化が加速する中、モーター制御技術と計測システムの統合により、顧客に包括的なソリューションを提供する体制が整う。業界では、電動化技術の需要拡大を背景とした企業買収が活発化しており、今回の取引も同様のトレンドを反映している。

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