クローラークレーンの名機、18年の軌跡──LR 1300が築いた信頼と進化

リープヘル(Liebherr):2025年9月16日

2007年に登場した300トンクラスのクローラークレーン「LR 1300」が、今年で18周年を迎えた。建設・基礎工事分野における重量物の吊り上げにおいて、卓越した能力とコンパクトな設計で高い評価を得てきた本機は、今なお現場の第一線で活躍している。最新モデルは、今年の国際建設機械見本市「Bauma」で来場者を驚かせ、電動化という新たなステージへと進化を遂げた。

■シリアルナンバー001──米国最大手が誇る主力機

米国最大のクレーンレンタル企業 Maxim Crane Works にとって、LR 1300は最も稼働率が高く、顧客からの需要も最も多いモデルだ。同社の保有機には、シリーズ初号機であるシリアルナンバー「001」も含まれており、18年経った現在も安定稼働を続けている。

「LR 1300は操作性に優れ、組立・解体も迅速。まさに“クレーン界のキャデラック”です」と語るのは、Maxim Crane Worksのオペレーター、ペレン・オークス氏。

■高性能と機動性を両立した“重量挙げ選手”

LR 1300が市場で高い人気を誇る理由は、最大300トンという吊り上げ能力と、輸送・設置の容易さを両立したコンパクト設計にある。建設現場での汎用的な吊り作業はもちろん、重量物の取り扱いが求められる場面でも、信頼できるパートナーとして活躍する。

■技術者の思いが宿る18年

Liebherr-Werk Nenzing GmbHの技術・開発担当マネージングディレクター、ホルガー・シュトライト氏にとっても、LR 1300は特別な存在だ。「2007年、若手設計技術者として本機の開発に携わりました。今後もさらなる安全性と効率性を追求し、革新的なソリューションを提供していきたい」と語る。

■次世代モデル「LR 1300.2 SX unplugged」──電動化の先駆け

シリーズ最新機「LR 1300.2 SX unplugged」は、438kWの電動モーターを搭載し、最大13時間の“コードレス”稼働が可能。392kWhのバッテリーにより、現場のインフラ状況に応じて4.5〜8.5時間で充電が完了する。電源接続の有無にかかわらず、性能や適用範囲に変化はなく、環境負荷低減と作業効率の両立を実現している。

■重量物対応の拡張性──デリック装備とCrane Planner 2.0

長尺の主ブームやラフィングジブを組み合わせた構成では、デリック装備により吊り能力をさらに強化可能。Liebherrの「Crane Planner 2.0」ソフトウェアを活用すれば、現場条件に応じた最適なブーム構成を事前にシミュレーションでき、計画段階から安全性と効率性を高めることができる。

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