・アジア太平洋市場への本格展開を加速
杭叉集団股份有限公司(Hangcha Group、浙江省杭州市):8月28日
中国の産業車両大手である杭叉集団は8月27日、千葉県佐倉市に日本現地法人「杭叉ジャパン」を正式に開設し、盛大な開所式を執り行った。同社のアジア太平洋戦略における重要な拠点として位置づけられ、日本市場でのフォークリフト事業拡大に本腰を入れる。
開所式には、杭叉集団海外市場担当副総裁の李元松氏、杭叉進出口総経理の潘沙菲氏、杭叉ジャパン副総経理の胡宗麒氏、杭叉営業総経理の師全紅氏らが出席し、多数のパートナー企業関係者とともに新拠点の船出を祝った。
■2,500㎡の統合型物流拠点を整備
杭叉ジャパンの新拠点は2,500㎡の倉庫・物流センターを併設し、製品展示、技術デモンストレーション、顧客研修、アフターサービスを一体化した統合型施設として機能する。ショールーム、AGV(無人搬送車)デモエリア、研修センター、部品倉庫を完備し、現地市場のニーズに対応できる十分な在庫を確保することで、日本の顧客への迅速なサービス提供を実現する。
事業展開では、新エネルギーフォークリフトとスマート物流ソリューションを中核に据え、複数の製品ラインの販売・レンタル事業を展開。日本の物流業界が進める環境配慮とスマート化への転換をサポートする方針。
■日本企業との戦略的パートナーシップを強化
開所式で挨拶に立った李元松副総裁は、「日本市場は杭叉にとって極めて重要な位置を占める。これまでクボタ、ヤンマー、三菱、GCT (グローバル・コンポーネント・テクノロジー)といった日本を代表する企業や、東工コーセン、伊藤忠などの大手商社グループとの密接なパートナーシップを築いてきた」と日本市場への期待を表明した。
特に注目されるのは、オカムラとの長年にわたる協力関係。両社は杭州岡村変速機有限公司、浙江杭叉岡村智能科技有限公司といった合弁企業を設立し、オカムラの変速機技術、物流システム統合、自動化設計の専門知識と、杭叉の先進的なスマート製造技術、グローバル販売網を組み合わせた強固な協業体制を構築している。
さらに東工コーセンが杭叉ジャパンの戦略的株主として参画することも発表された。この資本提携により、両社のブランド力、販売チャネル、現地リソースを結集し、特に新エネルギーフォークリフトとスマート物流ソリューション分野での成長加速を図る。
◾️先進製造業の集積地・日本への本格参入
先進的な製造業と物流の拠点として認知される日本市場は、杭叉のグローバル戦略において極めて重要な位置を占める。杭叉ジャパンの設立は現地事業展開の新たな章の始まりであり、同社は今後さらなる事業基盤の強化を図りながら、最先端の技術、製品、ソリューションを日本市場に投入し、日本特有の高い品質基準と卓越性の文化に応える方針を示している。
産業車両市場において電動化とデジタル化が急速に進む中、中国メーカーの本格的な日本参入は業界構造に新たな変化をもたらすことが予想される。
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