・AI画像認識×ミリ波レーダーで収穫作業を完全自動化
クボタは9月16日、同社が開発した無人自動運転コンバイン「アグリロボコンバイン DRH1200A-A」が、一般社団法人農業食料工学会より2025年度「開発特別賞」を受賞したと発表した。農業分野における自動化技術の進展と、スマート農業の実装に向けた先進的な取り組みが高く評価された。
■自動収穫を実現するセンシング融合技術
受賞対象となったDRH1200A-Aは、AIによる画像認識とミリ波レーダーによる測定技術を融合し、周囲の人や障害物を高精度に検知。オペレーターによる初期走行(ほ場外周1周)を経て、以降は無人での自動収穫が可能となる。搭乗不要ながら目視監視下での安全な運用を実現しており、未熟練者でも高能率な刈取り作業が行える点が特長。
同機は、前後左右に搭載されたカメラから取得した画像データをAIが解析し、障害物を検知すると自動で停止。これにより、収穫物に反応せず人や障害物のみを識別するという従来の課題を克服した。
■労働力不足への技術的アプローチ
農業従事者の高齢化と人手不足が深刻化する中、クボタは自動化・無人化技術を軸にスマート農業ソリューションを展開。今回の受賞は、同社の技術が食料生産の安定化と持続可能な農業の実現に寄与することへの期待を裏付けるものとなった。
■「開発特別賞」について
農業食料工学会が設ける「開発賞」は、農業食料工学分野における技術革新を表彰する制度で、毎年原則4件が選出される。その中でも最も高く評価された製品・技術に対して「開発特別賞」が授与される。
クボタのDRH1200A-Aは、センシング技術の高度な実装と、実用性・安全性を兼ね備えた自動収穫機として、スマート農業の未来を切り拓く一歩となった。
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