ボルボCE、世界初の完全電動解体現場を実現、独シーメンス拠点で実証

ボルボCE(Volvo Construction Equipment):2025年9月11日

ボルボCEとボルボ・トラックス(Volvo Trucks )は、独エルランゲンのシーメンス(Siemens)拠点において、世界初となる「完全電動による解体プロジェクト」を成功裏に完了した。メッツナー・リサイクリングとの共同実施で、持続可能な都市開発と循環型建設の新たな節目となった。

今回の取り組みは、シーメンスが総額5億ユーロ(約865億円、173円換算))を投じる「テクノロジー・キャンパス開発」の一環で、延べ2万5,000立方メートル規模の建物解体に、ボルボCEの小型・中型・電力系統接続型の電動建機群を投入。さらにボルボ・トラックスの電動トラックが資材運搬を担い、選別解体からコンクリート破砕、資材処理・搬出に至るまで、完全に排出ゼロでの施工を実現した。

この成果により、化石燃料依存を断ち、CO₂排出削減と有害排気ガスの排除、都市環境での騒音低減を同時に達成。電動機械は解体作業に加え、発生した約1万2,800トンの建設廃材の選別・処理にも活用され、その96%が再資源化された。

ボルボCE中央欧州マーケットエリア責任者のテレーズ・シュミッツ=ヒレブレヒト氏は「電動化への移行はもはやビジョンではなく現実だ。我々は機械を供給するだけでなく、パートナーと共に排出ゼロ社会への道を歩んでいる」と強調した。

また、シーメンス不動産部門のサステナビリティ責任者クリスティアン・フランツ氏は「今回の解体プロジェクトは96%という高いリサイクル率を達成し、当社の持続可能性目標に直接貢献した。異業種の強固な協力と革新的な発想が成果を導いた」と述べた。

解体工事を担ったメッツナー・リサイクリングのマネージングディレクター、ミヒャエル・メッツナー氏は「完全電動による低排出型の解体を技術標準として実現できたことは大きな前進だ。これにより、騒音や公害の懸念から停滞していた都市部プロジェクトの可能性が広がる」と語った。

本プロジェクトは、電動化・循環型資源利用・業種横断的な連携が融合することで、都市部における静粛で持続可能な解体が現実的に可能であることを示した。今後の都市開発における新たな青写真となることが期待される。

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