コネクレーンズ、カナリア諸島でハイブリッドRTG8基を受注

・OPCSA向け、港湾運営の脱炭素化を支援

コネクレーンズ (Konecranes):2025年9月11日

フィンランドの港湾クレーン大手コネクレーンズは、カナリア諸島港湾運営会社オペラシオネス・ポルトゥアリアス・カナリアス(OPCSA:Operaciones Portuarias Canarias S.A. )から、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア(Las Palmas de Gran Canaria)港のコンテナ取扱ターミナル向けハイブリッド式ラバータイヤ式ガントリークレーン(RTG)8基を受注したと発表した。契約は2025年9月に締結され、納期は2026年第2四半期を予定している。

■2022年納入機の高評価で追加受注獲得

カナリア諸島最大のターミナル運営会社であるOPCSAは、ラス・パルマス港を通じて地域および国際貿易の要衝としての役割を担っている。コネクレーンズは2022年にハイブリッドRTG6基を同社に納入しており、今回の追加受注はその実績が高く評価されたことを示している。顧客の環境効率性と高性能運用への継続的なコミットメントに応える形での受注獲得となった。

新規導入される8基のクレーンには、従来のディーゼル式RTGと比較して燃料消費量と排出ガスを大幅に削減するハイブリッドドライブシステムを搭載。さらに、コネクレーンズ独自のスマート機能である「トラックリフト防止システム」および「自動操舵システム」を装備する。

■安全性と信頼性を向上させる先進技術

安全性の向上にも配慮し、電気室、ハイブリッドバッテリーパック、ハイブリッド発電機には火災抑制システムを設置。これらの機能により、ヤード作業の安全性と信頼性の向上を図る。

OPCSA のプロジェクトマネージャーであるハビエル・スリタ・ラミレス氏は「ターミナル運営の近代化と脱炭素化の取り組みを継続しており、コネクレーンズは信頼できるパートナーです。優れたハイブリッドドライブ技術と、2022年に導入したクレーンの実証済みの信頼性により、今回の決定は容易でした」とコメントしている。

■グローバル展開への足がかり

コネクレーンズのEMEA地域ポートソリューション営業ディレクターであるダリン・シーパース氏は「お客様からの新規受注は、当社の設備が期待される役割を果たし、パートナーシップが強固であることを意味します。長年にわたりOPCSAの声に耳を傾け、進化するニーズに応えるクレーンを提供してきました。これは、パフォーマンスと持続可能性の同じバランスを目指す他のターミナルでも展開可能なモデルです」と述べた。

■ 「エコリフティング」構想の一環

今回の契約は、コネクレーンズが推進する「エコリフティング」構想の一環として位置づけられる。同構想は、製品・サービスポートフォリオによる有益な環境影響(ハンドプリント)を増大させながら、顧客の炭素フットプリントを削減することを目標としている。ディーゼルドライブの環境最適化から、ハイブリッド化、完全電動化フリートまで、「より少ない資源でより多くの成果」を実現する取り組みを継続している。

■業界をリードする技術革新

コネクレーンズは、デジタル化と技術への投資、そして経済の脱炭素化と循環性・安全性の向上を実現するソリューションによる物流効率化への取り組みにより、マテリアルハンドリング業界のリーダーとしての地位を確立している。

同社は世界50カ国以上で約16,500名の従業員を擁し、2024年のグループ売上高は42億ユーロを記録。ナスダック・ヘルシンキ証券取引所に上場(シンボル:KCR)している。

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