ファナックは9月9日、同社の小型切削加工機「ROBODRILL(ロボドリル)」の最新モデルとして「DCシリーズ」を発表した。最新CNCおよびサーボ技術を搭載し、さらなる生産性向上を目指した本機は、量産部品から難削材、さらには同時5軸加工まで幅広い加工ニーズに対応する。
■「削れる30番機」がさらに進化:DCシリーズの技術革新
DCシリーズでは、送り軸の早送り速度・加速度の向上、工具交換時間の短縮、高加速主軸の性能強化など、基本性能を大幅に刷新。制御面でも動作の無駄を徹底的に排除し、サイクルタイムの短縮を実現した。
特筆すべきは、要素解析を活用した鋳物設計による本体構造の動剛性向上。これにより、高速駆動部の性能を余すことなく活かし、従来以上の高効率加工を可能にしている。
■熱変位対策で安定加工を実現
DCシリーズでは、機械構造の根本的な見直しにより熱変位そのものを抑制。伝熱解析を用いた鋳物形状の最適化により、主軸やコラムの倒れを低減し、補正しやすい構造へと進化した。
さらに、標準搭載の温度センサと最適化された補正機能により、室温やクーラント温度の変化にも安定して対応。暖機運転を不要とし、省エネにも寄与する設計となっている。
■切粉排出性能の向上で現場課題を解決
加工現場で課題となる切粉処理についても、DCシリーズでは大幅な改善が図られた。新形状の機械カバーとクーラント配管の改良により、切粉の流れやすさが向上。これにより、稼働率の向上と保全コストの低減を実現している。
■多様な加工ニーズに応える次世代モデル
アルミや鋼材の量産加工はもちろん、ステンレスやチタンなどの難削材、さらには付加軸を用いた同時5軸加工にも対応可能なDCシリーズ。高剛性構造と豊富な主軸ラインナップを備え、次世代の加工現場における中核機としての活躍が期待される。
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