NTNは9月8日、欧州子会社NTN Europe S.A.(本社:仏アヌシー)のアルゴネ工場において、航空宇宙向けベアリングの生産能力増強を決定したと発表した。航空市場の回復基調や新興地域での需要拡大を背景に、2030年度まで段階的に投資を進める。
欧州の航空市場はコロナ禍からの回復が続く一方で、カーボンニュートラルを見据えた旧型機の更新需要や新興国での航空需要増加により、持続的な成長が見込まれている。アルゴネ工場は欧州における同社航空宇宙事業の中核拠点で、ジェットエンジンやヘリコプター向けをはじめ、欧州ロケット「Ariane 6」など宇宙分野向けの軸受も手掛けている。
今回の能力増強では、旋削から最終組立まで対応する新設備の導入、建屋の拡張・改修、さらにデジタル化やロボット化を進め、生産性向上と需要対応力の強化を図る。
NTNは日本および欧州で、ジェットエンジン、ヘリコプター、ロケット、人工衛星といった航空宇宙分野に長年にわたり製品を供給。近年は次世代エンジン、UAV(無人航空機)、eVTOL(空飛ぶクルマ)など新しいモビリティ分野への展開も視野に入れている。
同社は「持続可能な航空宇宙産業の発展に寄与するソリューションを提供していく」としており、欧州での供給体制を強化することで市場成長に対応する構え。
■NTN Europeについて
社名:NTN Europe S.A.
代表者:Dominique LAVILLA
事業概要:自動車、航空機など各種産業機械向けベアリング(軸受)の開発・製造、販売
本社所在地:
1, rue des Usines, BP 2017, 74010 Annecy Cedex, France
アルゴネ工場:114, Rte de Champ Farçon, 74370 Argonay, France
コメントを投稿するにはログインしてください。