・オモン第4発電所、115万kW級GTCCで2028年稼働へ
三菱重工業は9月8日、ベトナム南部カントー市で建設が進むオモン第4発電所向けに、最新鋭のM701JAC形ガスタービン2台を受注したと発表した。同形機が同国で採用されるのは初めて。総出力115万5,000kW級のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備の中核を担い、2028年の完成を目指す。
受注は、ベトナム国営産業エネルギーグループ(旧Petrovietnam)の事業案件で、電力エンジニアリングコンサルティング合弁会社2(PECC2)とコンソーシアムを組む韓国・斗山エナビリティ(Doosan Enerbility)がEPC(設計・調達・建設)の取りまとめを担当。三菱重工はこの枠組みの中でガスタービン2台と関連機器を供給する。発電機は三菱ジェネレーターが担当する。
オモン第4発電所は8月に現地で起工式を実施。完成後は、急増するメコンデルタ地域の電力需要に対応しつつ、国営グループの設備容量を930万kW超に引き上げ、ベトナム全体の発電容量の約1割を占める規模になる見通し。JAC形ガスタービンは世界最高水準のコンバインドサイクル効率64%超と、3百万時間以上の運転実績を有し、環境負荷低減や電力安定供給に寄与する。
ベトナム政府は「電源開発計画VIII(PDP8)」に基づき、石炭依存の縮小と天然ガス火力・再生可能エネルギーへの転換を進めている。三菱重工は今回のGTCC納入を通じて、同国のエネルギーミックス多様化と2050年ネットゼロ目標の達成に貢献するとしている。
<計画概要>
・発電所名:オモン第4発電所(カ
ントー市)
・方式:GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)
・規模:最大115.5万kW級
ガスタービン:M701JAC形x2基
(三菱重工製)
・EPC:斗山エナビリティ(PECC2
と協力)
・完工予定:2028年
・特徴:効率64%超、300万時間以上の運転実績