・1GW風力発電所建設と現地生産体制構築で再生可能エネルギー事業を拡大
三一(SANY):2025年9月4日
中国の三一集団(SANY)は9月2日、カザフスタンのトカエフ大統領との会談において、同国での風力発電設備製造工場の本格稼働と大規模風力発電プロジェクトの推進を発表した。
■首脳会談で戦略的協力を確認
北京で行われた会談には、三一集団輪番董事長・三一重工董事長の向文波氏が出席。両者は緑色エネルギー、機械製造、科学研究・革新技術分野での協力プロジェクトについて協議した。
トカエフ大統領は三一集団のカザフスタン市場でのビジネス拡大意欲を高く評価し、「同社が計画する先進的な専用設備生産ラインの建設は、わが国の工業発展に積極的な推進力をもたらすだろう」と述べた。
■1GW風力発電所建設プロジェクトが進行中
向文波董事長は会談で、三一集団のカザフスタンでのプロジェクト計画を説明。現段階で同社は設備容量1ギガワット(GW)の風力発電所建設を進めていることを明らかにした。この規模は、一般家庭約30万世帯の年間電力消費量に相当する大型プロジェクトとなる。
■ジャムブル州に風力発電設備部品工場が竣工
同日、トカエフ大統領と中国の丁薛祥国務院副総理はビデオ会議システムを通じて、ジャムブル州の風力発電設備部品製造工場第1期工事の竣工式典に共同出席した。
この工場は、カザフスタンの国家ファンド「サムルク・カゼナ」と三一重能(SANY Renewable Energy)の成功的な協力による成果物である。
■世界的風力発電メーカーの海外展開
三一重能は世界的な風力発電設備製造業界のリーディングカンパニーで、今回の施設がカザフスタン初の工場となる。
生産拠点はチュー市の「シルクロード」特別経済区内に立地し、風力発電所に必要なナセル、ハブ、タワーなどの主要部品を製造する。同工場の稼働により、カザフスタン国内での新規発電所建設をサポートし、「グリーン」エネルギー発展の重要な推進力となることが期待される。
■業界への影響
この事業展開は、中国建機メーカーの海外戦略において重要な意味を持つ。従来の建設機械輸出から、現地生産による技術移転とサプライチェーン構築へのシフトを示している。また、「一帯一路」構想における中央アジア地域でのインフラ投資拡大の具体例としても注目される。
カザフスタンは豊富な風力資源を有し、再生可能エネルギー分野での国際協力を積極的に推進している。三一重工の現地進出により、同国の産業多角化と技術向上が加速することが予想される。
(情報源:カザフスタン駐中国大使館)
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