三菱重工、台湾・通霄発電所向けに総出力280万kWのGTCC設備を受注

・CTCIと共同、約7,600億円のEPC契約で2030年以降に順次稼働開始

三菱重工業は9月5日、台湾電力(台湾電力公司)が苗栗県で運営する通霄(トンシャオ)発電所向けに、総出力280万kW規模となる天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備プロジェクトを受注したと発表した。同社が主導し、現地大手エンジニアリング会社のCTCIと共同でEPC(設計・調達・建設)契約を締結。最新鋭のM501JAC形ガスタービンを中核機器とする5系列で構成され、受注総額は約7,600億円に上る。

通霄発電所は台北市から南西約130kmの苗栗県通霄鎮に位置し、台湾の長期電源開発計画に基づく設備更新が進行中。今回の更新では、既存設備を撤去し、新設により出力増強と環境負荷低減を図る。近隣で拡大する産業・家庭用電力需要に対応するとともに、台湾のネットゼロ目標への貢献が期待されている。

新たに建設される5系列は、2030年から2031年にかけて順次運転を開始する予定。三菱重工はM501JACガスタービン、蒸気タービンなど主要機器を供給し、発電機は三菱ジェネレーターが担当。CTCIは現地工事や補機類を担う。

同発電所ではすでに2018年から、三菱重工とCTCIが2013年に共同受注したM501J形ガスタービンを用いた3系列のGTCC設備が稼働している。今回の5系列は第2段階の更新にあたり、同一パートナーによる連続受注は、豊富な実績と台湾電力からの高い信頼を反映したものといえる。

三菱重工グループは、GTCCをはじめとする高効率・高信頼のガスタービン発電設備の普及に注力し、世界各地での電力安定供給と脱炭素化の推進に貢献していく方針。

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