リープヘル、HD現代重工の浮体式生産設備にオフショアクレーン供給

リープヘル (Liebherr):2025年9月3日

リープヘルは、韓国のHD現代重工業が建造する浮体式生産設備(FPU)向けに、同社製オフショアクレーン「BOS 4200」を2基供給する。最終設置先はメキシコ湾トリオン鉱区で、豪州に本社を置くエネルギー大手の案件に投入される。

今回採用されたBOS 4200は最大揚程64メートル、最大44トンの吊り上げ能力を持ち、洋上での補給や保守作業に強みを発揮する。1975年以来の実績を持つBOSシリーズの最新機で、信頼性と堅牢性に優れる。

クレーンはドイツ・ロストック工場から完全組立状態で出荷され、2025年後半に蔚山の現代重工業造船所に搬入される予定。現地では短期間でFPUに搭載され、メキシコ湾沖合180kmのトリオン油田へ配備される。

リープヘル・ロストック社のオリバー・オーデブレヒト営業部長は「HD現代重工との契約は当社の洋上分野での信頼性を裏付けるもの。過酷な環境下でも最大限の性能と信頼性を発揮する機材を提供できることを誇りに思う」と述べている。

BOS 4200はAフレーム構造のロープ起伏システムを備え、安定性と耐久性を両立。旋回台に主要機器を配置し、LED照明なども標準搭載する。制御面では独自の「Litronic」クレーン制御システムを採用し、精緻で効率的な操作を実現する。また、防湿・耐衝撃設計や多層塗装により、高湿度や塩害、強風・高波といった厳しい海洋環境に対応している。

リープヘル・コリアのエディ・パク氏は「今回の協力は当社の洋上クレーン事業における強みを示すものであり、メキシコ湾での効率的かつ持続的なオペレーションを支援する」とコメント。稼働後の保守・部品供給はリープヘル米国およびリープヘル・メキシコが担い、迅速なサービス体制を確保する。

同案件は、リープヘルとHD現代重工の協力関係をさらに深める節目であり、洋上エネルギー市場におけるリープヘルの存在感を強化するものとなる。

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