ABB :2025年9月2日
ABBは、チリ国営の銅生産大手コデルコ(Codelco)と長期サービス契約を締結し、同社の主要鉱山にギヤレスミルドライブ(GMD)の保守プログラムを導入する。契約は、保守、遠隔診断、技能研修を含み、チリ国内で約1,500km離れたミニストロ・ハレス鉱山(アントファガスタ州)とアンディーナ鉱山(バルパライソ州)の両拠点を対象にしている。
今回の契約により、ABBは4基のGMDシステム(ミニストロ・ハレスに3基、アンディーナに1基)についてライフサイクル管理を担う。両鉱山は設計や条件が異なるものの、ABBのクラウド基盤「GMD Connect」を活用することで、集中管理と運転最適化を実現。これにより年間約40万トン規模の銅生産を支えることになる。
GMDは鉱石粉砕工程における重要設備で、機械的な動力伝達装置を不要とし、エネルギー効率や信頼性を高める点が特徴。銅需要の拡大が見込まれる中、設備の安定稼働と稼働率最大化は不可欠であり、今回の契約はコデルコの持続可能な生産体制を下支えする狙いがある。
ABBチリ・プロセスインダストリーズ部門サービスマネージャーのフランシスコ・エレーラ氏は「コデルコとの協力関係は10年以上にわたり継続してきた。今後も需要拡大に応えるため、独自のGMDシステムの保守において最先端技術と専門性を提供し、効率的かつ持続可能な生産を支援していく」とコメントしている。
ABBのGMDは世界最大級の粉砕ミルを駆動し、鉱石から価値ある鉱物を効率的に分離するために不可欠な設備。排出削減や省エネにも寄与し、脱炭素社会に不可欠な鉱物資源の供給を支えている。
ABBは電化・自動化分野の世界的技術リーダーとして、産業界の高効率・高生産・持続可能な運営を支援。140年以上の歴史を持ち、従業員数は11万人を超える。プロセスオートメーション事業ではエネルギー・水・素材供給から製造、物流まで幅広い分野を対象に、約2万人の従業員とともに自動化・電化・デジタル化を推進している。
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