味の素、フィリピンに新工場建設、総投資額238億円、2028年4月稼働開始

・生産能力拡大と安定供給体制強化

味の素(東京都中央区)は8月28日、フィリピン味の素(APC社)を通じて、中部ルソン地方のTARI工業団地に新工場を建設すると発表した。投資額は約91億フィリピンペソ(約238億円)で、2026年5月に着工、2028年4月の稼働開始を予定。新拠点では風味調味料「AJI GINISA®」、から揚げ粉「Crispy Fry®」などの調味料類の製造・包装を行い、成長を続けるフィリピン市場への安定供給を強化する。

フィリピンは人口増加とインフラ投資、内需拡大による成長が見込まれており、味の素は長期的な需要拡大を視野に生産能力を増強。新工場は雇用創出や地域社会支援に加え、食品産業のイノベーションにも貢献する狙い。

■新工場の特徴

新工場は「事業成長を支え、新たな展開に対応する工場」をコンセプトとし、自動化とデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。生産効率や柔軟性を高め、在庫管理を最適化することでサプライチェーン全体の強化を図る。また、従業員の安全で快適な労働環境整備や、工場見学を通じたブランド発信、さらに温室効果ガス(GHG)排出量のネットゼロを目指すなど、環境・社会・ガバナンス(ESG)対応を重視した工場とする。

■味の素グループの戦略

今回の投資は、グループの「2030ロードマップ」に沿ったもので、地域ごとの事業ポートフォリオ強化を推進。「おいしく食べて健康づくり」という創業の志を具現化し、安全・高品質な製品をフィリピンの消費者へ持続的に提供する体制を整備する。

<新工場概要>
• 所在地:フィリピン中部ルソン地方 タルラック市
• 投資額:約91億フィリピンペソ(約238億円)
• スケジュール:建設開始 2026年5月/稼働開始予定 2028年4月

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