・世界最大級の農機メーカー、組織再編で顧客価値向上を目指す
ディア社（Deere & Company）：2025年9月2日
米国イリノイ州モリーン発 – 世界最大級の農業機械・建設機械メーカーであるディア社（ジョン・ディア）は9月2日、スマート産業戦略の推進に向けた重要な人事異動を発表した。同社は顧客の経済価値を高める知的・接続型機械とソリューションの提供を加速させるため、経験豊富なリーダーによる組織体制を整備する。
ジョン・メイ（John May）会長兼最高経営責任者（CEO）は「顧客の成功向上に専念する、経験豊富で目的意識の強いリーダーシップチームの構築に注力している」と述べ、「これらのリーダーはそれぞれ豊富な専門知識と革新への共通ビジョン、そして世界中の顧客に価値を提供することへの深いコミットメントを持っている」と強調した。
■主要人事異動の内容
11月3日付けで発効される人事異動は以下の通り：
ディアナ・コバー氏（Deanna Kovar）が世界農業・芝生事業部門の生産・精密農業および南北アメリカ・オーストラリア市場担当プレジデントに就任。同氏は生産規模農業向けの主要機械・技術ソリューション、大型トラクター、収穫機械、作物管理機器の責任者となる。コバー氏は従来、同社の小規模農業・芝生事業のプレジデントを務めていた。
ジャスティン・ローズ氏（Justin Rose）は世界農業・芝生事業部門の小規模農業・芝生およびヨーロッパ・アフリカ・アジア市場担当プレジデントに就任。小型トラクター、コンパクト・ユーティリティ・トラクター、干し草・飼料機器、芝生管理機器など、世界中の小規模農業・芝生顧客向け機械・技術ソリューションを担当する。同氏は最近まで、ディアのライフサイクル・ソリューション、供給管理、顧客成功担当プレジデントを務めていた。
コリー・リード氏（Cory Reed）*はライフサイクル・ソリューション、供給管理、顧客成功担当プレジデントに就任。世界中の顧客への卓越した価値とサポート提供に重点を置き、ディアのグローバル・アフターマーケット、顧客サポート、サプライチェーン、精密アップグレード、事業変革イニシアチブを管理する。リード氏は従来、同社の生産・精密農業事業のプレジデントであった。
■業界への影響
今回の人事異動は、農機業界における技術革新と顧客サービスの高度化競争が激化する中で行われた。特にスマート農業技術、精密農業ソリューション、IoT（モノのインターネット）機能を搭載した機械への需要が世界的に拡大している現況において、同社の戦略的組織再編は業界全体に大きな影響を与えると予想される。
ディア社は約200年前の鋼製プラウから始まり、現在では農業、建設、林業、芝生管理、動力システムなどの分野で革新を推進する世界的企業として、食料、繊維、燃料、インフラの生産に不可欠な役割を果たしている。
同社の今回の組織再編は、急速に変化する市場環境と顧客ニーズに対応し、持続可能な成長を実現するための重要な戦略的施策として位置づけられている。