ダンフォス(Danfoss):2025年9月2日
デンマークの多国籍エンジニアリング企業ダンフォスは9月2日、中国浙江省海塩県において同社最大規模となる新生産拠点「海塩第2キャンパス」を竣工し、開所式を行ったと発表した。敷地面積は12万6,000㎡に及び、既存拠点の2倍以上の規模となる。中国のグリーン転換と高品質発展を支える長期的なコミットメントを示すもの。
新拠点は、同社の3事業セグメントすべての製造機能を統合するとともに、「パワーソリューションズ」と「クライメートソリューションズ」向けの応用開発センター(ADC)2カ所を併設。欧米と同水準の生産・開発体制を整え、ドライブ、商用コンプレッサ、クイックディスコネクトコネクタ、油圧ポンプ・モータ・バルブ、熱交換器などを手掛ける。これらの技術は、中国における建築物、輸送、エネルギー分野の脱炭素化を後押しする。
式典には、デンマーク大使館のアンデルス・シーグムフェルト公使参事官、嘉興市党委員会の陳偉書記、海塩県党委員会の王随社書記のほか、ダンフォス社のキム・ファウジング社長兼CEO、ダンフォス中国区総裁のアルサー・シュー氏らが出席した。
ファウジング CEOは「中国市場には大きな成長余地がある。新キャンパスは、中国に根差した事業体制をさらに強化する取り組みであり、中国のグリーンな未来に対する当社の自信を示すものだ」と述べた。同社は新成長戦略「LEAP 2030」に基づき、革新的な製品と生産体制を通じて中国の低炭素転換を後押しする考え。
ダンフォス中国のシュー総裁は「新キャンパスは、先進的な省エネソリューションを大規模に供給する能力を高める戦略的前進だ。中国における30年の歩み、海塩での20年の活動は、地方政府の強力な支援によって可能になった」と強調した。
新工場はダンフォスの脱炭素化ソリューションを体現するもので、省エネ設計に基づき「Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Re-source(再生可能エネルギー調達)」の3段階アプローチを採用する。2024年には中国広核新能源(CGN New Energy Holding)と電力購入契約(PPA)を締結し、2025年から年間4万トンのCO₂削減を実現する見込み。これは同社中国事業の排出量の33%、グローバル全体の9%に相当する。
ダンフォスは現在、中国に11の生産拠点と4つの技術開発拠点を持ち、従業員数は5,000人を超える。海塩キャンパスはその中でも最重要拠点の一つとして、今後の事業展開をけん引していく。
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