神戸製鋼所、ブラックペレット製造調査プロジェクトが経産省グローバルサウス共創事業に採択

神戸製鋼所は9月1日、製造業の脱炭素技術研究を加速させる新たな一歩として、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)に採択されたことを発表した。

■プロジェクト概要
本事業は、マレーシアおよびベトナムに分布する多様な樹種を活用し、木質バイオマス(ホワイトペレット)を炭化改質してブラックペレットの原料とする可能性を調査する。炭化プロセスを通じて発電・製鉄分野への安定供給網の構築を目指し、両国で炭化プラント建設も検討する方針。

■事業連携と今後の展望
神戸製鋼は、UBE三菱セメント(2025年5月15日発表)、マレーシアSamling社(8月25日発表)と共同でブラックペレット事業化検討を既に進めており、今回の補助金採択により各連携先との協業体制を一層強化する見込み。鋼材製造工程での実証の一部は、NEDO「GREINS」事業により進められる。

■ブラックペレットの意義と展望
ブラックペレットは、従来のバイオマス燃料(ホワイトペレット)を特定条件下で炭化したもので、石炭同等の発熱量を有し、発電燃料や製鉄原料として使用できる可能性から、カーボンニュートラル原燃料として期待されている。木質原料は間伐材や端材など持続可能な資源を活用し、自然環境や生物多様性へ配慮したものとなっている。耐水性や屋外保管、低リスク性などハンドリング面でも優位性を持つ。

■KOBELCOグループの戦略
KOBELCOグループは、現中期経営計画(2024~2026年度)においてカーボンニュートラルへの挑戦を最重要課題に位置付けており、技術・製品・サービスの融合による“魅力ある企業”への変革を目指している。本技術の社会実装とグローバル展開を通じ、持続可能な社会と産業創出に貢献する方針。

ニュースリリース