日本板硝子、ポーランドに建築用ガラスの最新鋭コーティング設備を新設

日本板硝子(NSG、東京都港区)は9月2日、ポーランド拠点に建築用ガラス向けの最新鋭コーティング設備を新設すると発表した。欧州で高まる省エネ建築需要に対応し、同社の高付加価値ガラス供給体制を一層強化する。

生産されるのは、日射透過率の制御や断熱性に優れる高品位コーティングガラスで、特にLow-E(低放射)ガラスを中心とした省エネ製品群の拡充につながる。NSGは、ポーランド国内のみならず欧州全域での環境配慮型建築需要を取り込み、事業拡大を図る方針。

新設備は、グループ会社ピルキントン・ポルスカ(Pilkington Polska Sp. z o.o. 、本社・ポーランド)のサンドミエシュ(Sandomierz)事業所に導入する。完全自動化されたスパッタリング方式のコーティングラインで、透明かつ精密な機能性膜をガラス表面に施すことが可能となる。生産開始は2027年1~3月期を予定し、投資額は1億6,000万ポーランドズロチ(約62億円)。地域では30名以上の新規雇用を創出する見込みだ。

サンドミエシュ事業所は、同社グローバル生産体制の主要拠点の一つであり、技術基盤や人材、物流環境に強みを持つ。今回の投資は、技術革新による競争力強化に加え、地域雇用への貢献も期待される。

同社の中期経営計画「2030 Vision: Shift the Phase」で掲げる「事業開発(Business Development)」と「脱炭素化(Decarbonization)」の戦略に沿ったもので、持続可能な社会への貢献を打ち出している。

建築用ガラス事業部門 東欧・北欧・中欧DS マネージングディレクターのクリストフ・グラニスキー氏は「欧州で拡大する高付加価値ガラス需要に応えるものであり、エネルギー効率と持続可能な開発を支える新たな技術ソリューションを導入する」とコメントした。

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