中国・徐工が世界最大級タワークレーンを発表、南沙万龍大橋建設で初稼働へ

中国建設機械大手・徐工(XCMG)は8月29日、新型大型タワークレーン「XGT23000-760S」を正式発表した。2025年10月に生産ラインを出る本機は、定格リフティングモーメント23,000トン、最大吊上げ重量760トン、独立揚程145メートルを誇り、サポート併用時には400メートル超の吊上げも可能という世界記録級のスペックを備える。

■技術革新の結晶、世界一の性能指標を達成

XGT23000-760Sは、5つの主要性能指標で世界一を獲得し、60以上のコア技術を突破。二重アームフレームの並列組み合わせや、4台トロリー+4本フックの同時操作技術など、徐工独自の10大中核技術を搭載しており、いずれも国際トップレベルに到達している。

■国家プロジェクトでの初稼働、南沙万龍大橋に導入

本機は、広州市で進行中の南沙万龍大橋建設に向けてカスタマイズされたもので、中国鉄建大橋局との戦略的協力の一環として導入された。国内最大級の自己錨定吊橋建設という国家プロジェクトにおいて、巨大構造物の高精度・高効率な揚重施工を可能にする。

■デジタル化と安全性の両立へ、次世代制御技術を搭載

徐工は「智能化・デジタル化・ネットワーク化」の戦略を加速しており、XGT23000-760Sには遠隔クラスター協調制御システムや、オンライン診断・トラブルシュート技術が搭載されている。これにより、設備管理の精度向上、施工効率化、作業現場の安全性向上が期待される。

■中国製造の象徴として、世界市場へ挑戦

「世界No.1クレーン」の納入は、中国製造業が建設機械分野で世界をリードする象徴的な出来事となった。徐工は今後も技術革新を推進し、グローバル市場に向けてさらなるソリューション提供を目指す方針を明らかにしている。

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