IHIは9月1日、グループ会社のIHI物流産業システムが参画する形で、福山通運が所有・運営するメニコン向け物流センター(千葉県八千代市)に、倉庫自動化ソリューション「Skypod®」の次世代モデルを導入すると発表した。国内での採用は今回が初めてで、稼働開始は2026年下期を予定している。
Skypod®はフランスExotecが開発した3次元走行型ロボットによる倉庫自動化システム。ロボットが棚から商品をピッキングし、作業者に搬送することで、従来の人手作業に比べ保管効率・出荷速度・作業品質を大幅に改善できる。2025年2月にリニューアルされた次世代モデルは、従来比で出荷処理能力を最大50%、保管密度を約30%向上。オムニチャネル対応や出荷順序の最適化、段階的拡張が可能なモジュール構成などの付加機能を備える。
メニコンと福山通運は、2026年3月期下期に予定するメニコンのマレーシア新工場稼働に伴う物流量増加と、省人化による人手不足対応を狙い導入を決定。IHI物流産業システムは全体統括からエンジニアリング、据付、アフターサービスまでを一貫して担う。Exotecはシステム提供を通じ、物流の効率化と高付加価値化を支援する。
導入先となる福山通運千葉八千代支店では、1万810BINの保管能力に対し、73台のロボットを稼働させる計画。主に倉庫内ピッキング作業を担う。
今回の取り組みについて、メニコンは「配送量増加と繁忙期の人員確保難を解消し、正確性とスピードの両立を図る」とコメント。福山通運は「人手不足や人件費上昇といった課題に対応し、顧客事業拡大を物流面から支える」とした。IHI物流産業システムは「日本初導入として業界革新の一歩になる」と強調。Exotecは「ヘルスケア物流の安定供給を支える先進事例となる」と述べている。
4社は今後もサプライチェーン全体の最適化を目指し、持続可能な物流モデルの構築に取り組む方針。
詳細は、ニュースリリース
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