米国機械製造業者協会(AEM)、米北東部のインフラ投資で建機需要拡大の好機

米国機械製造業者協会(AEM)は8月28日、米国北東部で進む大規模インフラ投資により、建設機械メーカーに大きな商機が生まれていると発表した。鉄道・橋梁・港湾・エネルギー関連の案件が相次ぎ、設備、資材、技術革新の需要が高まっている。

ニューヨーク・ニュージャージー州では、総額160億ドル規模の「ゲートウェイ・トンネル計画」が進行中で、連邦政府から68億ドルの資金が拠出されている。米国史上最大級の鉄道インフラ整備となる同計画は、ニューヨーク~ニュージャージー間の鉄道輸送能力を倍増させる見込みで、トンネル掘削機や鋼材、エネルギー供給設備などの需要が高まる。

コネチカット州では、約20億ドルを投じてメトロノース鉄道の改修やデボン橋の修復、ノーウォークのウォーク橋架け替えなどが進む。重機や橋梁資材、鉄道技術、エネルギー関連の供給企業に商機が広がる。

マサチューセッツ、ロードアイランド、コネチカットの3州は、600万kW(6GW)の洋上風力発電導入を目指し、共同調達を推進。港湾用クレーンや輸送車両、電気機器メーカーが直接サプライチェーンに参画できる。

メイン、ニューハンプシャー、バーモントの各州では、連邦インフラ法(IIJA)資金を活用し、橋梁・道路や地方のブロードバンド整備が進展。比較的小規模ながら着工準備の整った案件が多く、道路建設や資材搬送機器、公共設備向け機械に需要が見込まれる。

AEMは、入札案件の確認には各州の調達サイトや米運輸省のダッシュボード、Grants.govの活用を推奨。加えて、州の交通局や地域計画機関が公表する入札カレンダーの定期確認、既存のゼネコンやサプライヤーとの提携、州議員や交通局関係者を工場に招き、製品や技術を直接訴求することを有効な手段としている。

北東部では今後10年にわたり、高速鉄道から洋上風力、橋梁改修まで幅広いインフラ整備が続く見通しで、建設機械需要の底上げが期待される。

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