徐工(XCMG)、25年上期売上は8%増の548億元、営業利益は28%増

・海外事業が売上の約半分を占める

中国建機大手の徐工集団工程机械股份有限公司(XCMG)が8月30日に発表した2025年上半期(1〜6月)業績は、売上高が前年同期比8.0%増の548億800万元(約1兆960億円)、営業利益が同28.0%増の52億9,400万元(約1,059億円)、親会社株主に帰属する純利益は同16.6%増の43億5,800万元(約872億円)となった。海外事業の拡大と新エネルギー製品の成長が業績を押し上げた。(1元=約20円で換算)

 徐工機械の2025年上期データ

■好調な収益構造が成長を牽引

徐工の上期業績は「売上高・純利益の両成長」を実現。特に営業純キャッシュフローは37.3億元と前年同期比108%の大幅増となり、財務体質の改善が顕著に表れた。売上総利益率も22%と前年同期比0.7ポイント上昇している。

成長の原動力となったのは「三大増分」と位置づける国際化、新エネルギー、アフターマーケット事業。海外売上高は16.6%増、アフターマーケット売上高は33.2%増、新エネルギー製品売上高は9.4%増と、いずれも全体の成長率を上回る勢いを見せている。

■海外展開が本格化、現地化率50%に

国際事業は売上規模255億元(前年同期比16.6%増)に達し、総売上高に占める割合が46.6%まで拡大した。輸出売上高は211億元(同21.1%増)と過去最高を更新している。

海外展開では、BHPビリトン、リオ・ティント、ヴァーレなど大手鉱山会社との協力が深化。主要海外工場の現地化率は50%に到達し、「グローバル購買・グローバル供給」体制の構築が進んでいる。

■製品別では土木機械が躍進

事業部門別では、土石方(土木機械)製品群が前年同期比22.4%増と大幅な伸びを記録。掘削機(油圧ショベル)事業では国内販売シェアが向上し、輸出売上高も20%増加した。ショベルローダーは連続36年間輸出業界首位を維持している。

新エネルギー分野では、新エネルギーローダーの販売量が139.4%増と急拡大。世界首位の地位をさらに強化している。

クレーン事業も回復傾向を見せ、風力発電市場に牽引されてクローラークレーンの売上高が約40%増加。トラック搭載クレーンでは新エネルギー関連売上高が120%超の成長を達成した。

■技術革新で競争優位性を確立

研究開発投入は前年同期比5.1%増加し、新エネルギーと知能化技術に重点投資を実施。上半期には新規発明特許218件、国外授権特許45件を取得している。

AI技術と建設機械の融合も進展。業界初となる散材土方「ブラックライト工事現場」や「牧羊人」知能化ソリューションを実用化したほか、無人運転鉱車100台の商用運転も開始している。

■今後の展望

徐工は「第15次5カ年計画」の策定期を迎え、高品質発展に向けた基盤固めを継続する方針。海外事業のさらなる拡大、新エネルギー・AI技術の深化、アフターマーケット事業の強化により、持続的成長を目指している。

徐工機械の2025年度半年度報告