井関農機、NEWGREEN共同開発の自動抑草ロボ「アイガモロボ」がXtrepreneur AWARD 2025グランプリを受賞

・農業機械業界初の快挙、ソーラー駆動ロボットが注目集める

井関農機は8月29日、農業ロボット開発のNEWGREEN(東京都小金井市)と共同で開発した自動抑草ロボット「アイガモロボ」が、Forbes JAPAN主催・経済産業省後援の「Xtrepreneur AWARD 2025」でグランプリを受賞したと発表した。農業機械分野からの同賞受賞は業界初となる。

同アワードは複数企業の連携による社会課題解決プロジェクトを評価するもので、「日本初・グローバル」「インパクト」「意外性」の3項目で審査される。アイガモロボは伝統農機メーカーの技術力とスタートアップの発想力を融合した点が高く評価された。

■技術的特徴と性能データ
アイガモロボは田んぼ内を自律走行し、土壌攪拌により濁水を発生させて雑草抑制を図る画期的なシステムを採用している。主な技術仕様は以下の通り。

  • 駆動方式: ソーラーパネル搭載による太陽光発電駆動
  • 作業機能: 自律走行による土壌攪拌・濁水発生システム
  • 抑草原理: 攪拌土が雑草種子・芽上に堆積し発芽を物理的に阻害

農研機構、東京農工大学との4者共同実証試験(2024年1月公表)では、従来比で顕著な効果を実証。収量10%向上、機械除草作業58%削減という定量的成果を達成し、有機水稲栽培における省力化技術として実用性を立証した。

■市場への影響と今後の展望

農業従事者の高齢化と労働力不足が深刻化する中、同システムは除草作業の自動化により農作業の省力化を実現。特に化学農薬に依存しない有機栽培分野での需要拡大が期待される。

井関農機は創業100年超の老舗農機メーカーとして蓄積した田植機・耕耘機技術をベースに、NEWGREENの農業IoT・ロボット技術を組み合わせることで、次世代農業機械の新領域を開拓した形だ。

■授賞式概要

授賞式は8月27日午後6時から東京・ザ・リッツ・カールトンで開催され、機械工業界からも多数の関係者が出席した。

今回の受賞により、農業機械業界におけるロボット技術への関心がさらに高まると予想され、他社の開発動向にも注目が集まりそうだ。

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