・デジタル変革と海外展開で純利益20.7%増
中国の大手建設機械メーカーである中联重科股份有限公司(Zoomlion、本社:湖南省長沙市)が8月30日に発表した2025年上半期(1~6月)決算によると、売上高は前年同期比1.3%増の248億5,500万元(約4,980億円)となった。営業利益は同4.0%減の28億8,800万元(約578億円)だったものの、親会社に帰属する当期純利益は同20.7%増の27億5,300万元(約551億円)と大幅な増益を達成した。
■主要事業の堅調な推移
同社の主力である3つの建設機械カテゴリー(コンクリート機械、エンジニアリングクレーン、建設クレーン)は国内市場で安定した地位を維持した。特に新エネルギーミキサー車とクローラークレーンの売上が前年同期比で倍増成長を記録した。
土木作業機械部門では、マイクロ掘削(ミニショベル)から超大型まで全シナリオ製品マトリックスを構築し、中大型ショベルで業界をリードする市場シェアを獲得している。
高所作業機械では、超高作業高度でグローバル価格決定権を確立し、82メートル超高ストレートブームリフトが世界最高記録を樹立した。ハンガリー新工場の建設も順調に進んでおり、欧州製造ネットワークの完成が近づいている。
■海外事業が成長エンジンに
報告期間中、海外売上高は前年同期比14%超の成長を継続した。特にアフリカ市場の売上は179%超の大幅増加を記録し、中東、東南アジア、オセアニア市場も高成長を維持している。
同社は「エンドツーエンド、デジタル化、現地化」を軸とした海外事業直販システムの構築を進めており、世界30以上の主要事業拠点と430以上の二次・三次拠点、約5,000人の現地化従業員により、170以上の国・地域で製品を提供している。
■デジタル変革で競争力強化
AI エンジンを活用したビジネスエコシステムの再構築を加速し、生産・販売・保管の精密管理制御を実現している。人工知能などの最先端技術を統合することで、「需要駆動でリーンな供給」の運営モデルを確立し、在庫レベルの削減と資本回転率の改善を実現した。
インテリジェント製造分野では、世界で17のインテリジェント工場と370以上のインテリジェント生産ラインを建設・稼働開始し、業界をリードするインテリジェント製造クラスターを構築している。
■技術革新で新たな競争力創出
上半期中に206の新機種を発表し、そのうち76機種がハイエンド4.0シリーズ製品、20機種が新エネルギー製品となった。世界最大の4,000トン全地形(オールテレーン)クレーンのバッチ販売を実現するなど、超大型全地形クレーン技術でのグローバルリーダーシップを示した。
新エネルギー分野では、ミキサー車の電動化率が前年の36.6%から74%に急上昇し、国内市場での電動変革を牽引している。また、水素エネルギー設備分野への参入も進めており、次世代水素液体駆動ピストンコンプレッサーの開発を完了した。
同社は報告期間中に683件の新特許を申請し、555件の特許を取得。「デジタル化、インテリジェント化、エコフレンドリー」技術の累積特許数は5,974件に達し、海外戦略の推進に向けた知的財産のグローバル展開を加速している。
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