・鋼帯搬送の安全性・効率性を大幅向上、既存建屋に対応した設計で更新需要に応える
フィンランドのマテリアルハンドリング機器大手コネクレーズ(Konecranes)は、オーストリア・シュトッケラウ(Stockerau)にあるコンティベルト(Contibelt Band Systeme GmbH)の製造拠点において、Sシリーズ天井クレーン6基の納入・設置を完了した。2024年末に受注し、2025年7月に据付工事を終えた。
コンティベルト(Contibelt)は、コンベヤシステム向け高性能鋼帯の製造を手がけており、今回導入されたクレーンは、重量鋼コイルの製造工程における安全かつ効率的な搬送を支援する。各クレーンの定格荷重は5~10トンで、2基ずつが1本の走行軌道上で連携して稼働。同期昇降制御により、鋼材の精密な移載が可能となっている。
安全性・操作性を高める最新機能を搭載
導入されたSシリーズクレーンには、以下の機能が標準装備されている:
- クレーン同士の接触を防止する衝突防止システム
- ペアクレーンによるタンデム昇降機能
- 滑らかな加減速を実現する可変周波数ドライブ(Variable Frequency Drive)
- 処理装置への正確な鋼材配置を可能にする荷位置制御機能(Load Positioning Control)
コンティベルト(Contibelt)オーストリアの営業マネージャー、マリオ・ミハリェビッチ(Mario Mihaljevic)氏は「既存クレーンの多くが耐用年数を超えており、より高性能な制御系と荷重対応力が求められていた。建屋構造を変更せずに対応できる提案を複数社に依頼したが、実現できたのはコネクレーズ(Konecranes)だけだった」と語る。
コネクレーズ(Konecranes)南東欧地域統括ディレクターのマルクス・ケッヒャー(Markus Köcher)氏は、「2017年の初納入以来、コンティベルト(Contibelt)との協業は継続しており、今回のプロジェクトはその信頼関係の延長線上にある。新型クレーンは現場の生産ニーズに即した仕様で、安全性・操作性・効率性のすべてを向上させている」と述べた。
デジタル化と持続可能性への投資で業界を牽引
コネクレーズ(Konecranes)は、顧客志向と継続的な技術革新を軸に、マテリアルハンドリング分野でグローバルリーダーとしての地位を確立。デジタル技術の活用や脱炭素・循環型経済への対応を通じて、物流の効率化と安全性向上に貢献している。
同社は世界50カ国以上に約16,500人の従業員を擁し、2024年のグループ売上高は42億ユーロ。株式はナスダック・ヘルシンキ(Nasdaq Helsinki)(銘柄コード:KCR)に上場している。
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