日本精工(NSK)、業界初のボールねじCFP算定報告書を公開

・「MT-Frix™」で使用段階のCO₂排出量を大幅削減―

日本精工(NSK)は8月29日、工作機械向け低フリクションボールねじ「MT-Frix™」に関するカーボンフットプリント(CFP)算定報告書を公開した。ボールねじ製品におけるCFP算定報告書の開示は、世界の主要メーカーを対象としたNSK調査によれば、業界初の試みとなる。

■CFP開示がもたらす国際競争力

CFPは、製品単位での温室効果ガス排出量を定量的に示す指標であり、環境負荷低減への取り組みを可視化する手段として注目されている。欧州を中心に、サプライチェーン全体での環境情報開示のニーズが高まる中、CFPの開示は製品の環境価値を示すだけでなく、国際市場での競争力強化にも直結する。日本国内でも、2025年2月に環境省が「カーボンフットプリント表示ガイド」を公表し、企業による開示の動きが加速している。

■「MT-Frix™」の環境性能と報告書の位置づけ

NSKが2024年10月に開発した「MT-Frix™」は、工作機械向けの低フリクションボールねじであり、動摩擦トルクを従来比で約50%低減。これにより、使用段階でのCO₂排出量を大幅に削減することが可能となった。今回の報告書では、製品のライフサイクル全体における排出量を自主算定し、算定条件やGHG対象範囲、使用データなどを明示。環境省ガイドラインに準拠した内容となっている。

NSKはすでに2025年7月に軸受業界初のCFP算定報告書を公開しており、今回のボールねじ分野での開示は、同社の環境対応製品開発の一環として位置づけられる。

■欧州市場への展開と今後の展望

NSKは、2025年9月に開催される欧州最大級の工作機械展示会「EMO Hannover 2025」に「MT-Frix™」を出展予定。環境対応製品への関心が高い欧州市場に向けて、同製品の環境性能を訴求する。2035年度までにScope1およびScope2のCO₂排出量を実質ゼロとする目標を掲げるNSKは、今後もCFP報告書の発行を通じて、製品の透明性と信頼性を高め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく方針。

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