・次期売上予想は2.8%減 の1兆490億円
ヤンマーホールディングス(HD)が8月29日に発表した2025年3月期(2024年度)連結決算は、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比78.1%減の108億円となった。売上高は前期比0.2%減の1兆797億円とほぼ横ばいを維持したものの、世界経済の不透明感や海外市況の悪化が利益を大幅に押し下げた。
■2024年度決算の概要
売上高は1兆797億円(前年同期比0.2%減)、営業利益は430億円(同29.9%減)、経常利益は410億円(同49.0%減)となった。1株当たり純利益(EPS)は7,540円78銭で、前期の3万5,167円18銭から大幅に減少した。同社は「インフレ圧力や原材料価格の高止まり、物流の逼迫などによりコスト高が継続した」と説明。先進国での金融引き締めの影響で設備投資や消費活動に慎重さが見られ、米国の通商政策変更等で年後半にかけて世界経済の不透明感が一層増したという。
全体の業績は、売上高がほぼ前年並みを維持したものの、利益面では大幅な減益となった。海外売上高は前期比3.0%減の6,416億円で、海外売上高比率は59.4%となった。
2月に発生した子会社のシステム入れ替えトラブルについては、「復旧活動に努めた結果、当期業績に及ぼす影響は軽微だった」としている。一方で決算発表の延期により、投資家や関係者に迷惑をかけたと謝罪した。
■セグメント別業績
産業用機械事業の売上高は6,472億円(前年比2%増)と増収を確保したが、利益は161億円と半減し採算が悪化した。
農業機械の国内市場で資材価格高騰が続いたものの、2024年後半からの米価上昇により需要が持ち直し増収となった。海外は欧米で市況悪化により減収となったが、東アジア・東南アジア市場が牽引し、海外売上高全体では増収を確保した。
建設機械は、国内外における需要減少により前年度に比べ減収。特に海外市場は、欧米各国の経済並びに投資の減少による需要減退により、前年度に比べ減収となった。ガスヒートポンプと発電機は堅調に推移し増収となった。
内燃機関及び関連機器事業の売上高は4,053億円(同4%減)と減収で、利益も171億円(同28%減)と落ち込んだ。小形産業用エンジンが北米・欧州市場の需要減退により減収。舶用エンジンは底堅い海運市場を背景としたメンテナンス需要により前年を上回った。コンポーネントは北米市場の在庫調整の影響で減収となった。
■地域別動向
地域別では、日本が4,380億円と堅調で、アジアも2,185億円と8%増と伸びたが、米国は1,789億円(同12%減)、欧州も1,711億円(同6%減)と低迷し、全体の足を引っ張った。
■2026年3月期2025年度)業績予想
2026年3月期(2025年度)の連結業績予想は、売上高1兆490億円(前期比2.8%減)、営業利益325億円(同24.5%減)、経常利益355億円(同13.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益171億円(同57.7%増)を見込む。1株当たり純利益は1万2,190円75銭を予想している。
国内では農業機械の底堅さに加え、海外ではTEDOM a.s.の買収効果やエネルギーシステム、舶用エンジンの堅調な需要を取り込み増収を見込む。一方、インフレによる資材高騰や人件費増加が予想され、為替も円高方向に推移すると想定されることから利益面では減益を見込んでいる。
為替レートの前提は1ドル=141円、1ユーロ=162円としている。
同社は今年度の取り組みとして、スマート農業技術の開発加速とGHG削減を目指した舶用多燃料パワーソースや産業機械用バッテリー動力の開発など「YANMAR GREEN CHALLENGE 2050」に根ざした活動を推進し、「A SUSTAINABLE FUTURE -テクノロジーで、新しい豊かさへ。-」の実現を目指すとしている。
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