・再生可能燃料推進に向けた取り組みを加速
Deere & Company(ディア社):2025年8月26日/米イリノイ州モリーン
米農業機械大手ジョン・ディア(John Deere)は26日、同社のTier 4準拠エンジン全機種において、B30バイオディーゼルの使用を正式に承認したと発表した。従来のB20までの混合比率から対応範囲を拡大するもので、再生可能燃料の普及を後押しする姿勢を鮮明にした。
今回の発表は、今週イリノイ州ディケーターで開催される「2025年ファーム・プログレス・ショー」でも紹介される予定で、同社のRide and Driveエリアで稼働するすべての機器がB30バイオディーゼルで運転される。
ジョン・ディア・パワーシステムズの上級副社長ピエール・ギヨ氏は、「再生可能燃料の活用は農業経済の支援につながる。自社製品を通じて、より高濃度のバイオディーゼルを利用できる選択肢を顧客に提供できることを嬉しく思う」とコメントした。
ジョン・ディアはこれまで、Tier 4エンジンに対してB20バイオディーゼルおよびRD100再生可能ディーゼルの使用を承認してきた。Tier 3/Stage III A以下のエンジンでは最大B100までのバイオディーゼル混合燃料に対応しており、点火式芝生・ユーティリティ機器ではE10エタノール混合燃料の使用が可能となっている。現在は、E98で稼働する9.0Lエタノールエンジンのコンセプト開発など、高濃度エタノール混合燃料の活用も視野に入れている。
再生可能燃料の導入を検討する顧客に対しては、燃料供給業者との事前相談を推奨している。
■ 関係者の声
米国大豆協会(ASA)会長でケンタッキー州の大豆農家でもあるケイレブ・ラグランド氏は、「バイオディーゼルの高濃度混合は、我々農家にとっての需要拡大と、現場でのクリーンな燃料供給の両立を意味する。ジョン・ディアのB30承認は、再生可能燃料の未来を切り拓く重要な一歩だ」と語った。
Clean Fuels Alliance Americaの技術ディレクター、スコット・フェンウィック氏も、「ジョン・ディアの対応は、米国農業と持続可能な燃料推進における真のリーダーシップを示すもの。バイオディーゼルは高い性能と品質を備えており、より高濃度の混合燃料を採用することで、顧客は安心して国産のクリーン燃料を利用できる」と評価した。
■ ジョン・ディアの再生可能燃料戦略
同社は、農業・消費者・地域経済の支援と排出削減の両立を目指し、すべての輸送手段における再生可能燃料の生産・利用拡大に取り組んでいる。詳細は公式サイト(www.JohnDeere.com/renewablefuels)で公開されている。
■ 企業概要
ジョン・ディアは、農業、建設、林業、芝生管理、パワーシステムなど多岐にわたる分野で革新を牽引するグローバル企業。創業は約200年前の鋼製すきにさかのぼり、現在では食料・繊維・燃料・インフラの生産を支える存在として、世界中の人々の暮らしに貢献している。
企業情報は www.deere.com/en/news/ にて閲覧可能。
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