AeroEdge、チタンアルミブレード新材料量産へ設備投資、市場シェア拡大を狙う

AeroEdge(エアロエッジ、栃木県足利市)は8月27日、航空機エンジン向けチタンアルミブレードの新材料量産と市場シェア拡大を目的とした設備投資を決定したと発表した。仏サフラン(SAFRAN)社との契約に基づき、供給リスクの低減と収益基盤強化を図る。

対象となるのは、エアバスA320neoやボーイング737MAXに搭載される「LEAPエンジン」向けブレード。同社はこれまで欧州企業1社からの無償支給材を加工して納入してきたが、航空機需要の拡大に伴い調達リスクが顕在化。自社開発の新材料を量産化し、材料供給から加工までを担う垂直統合体制を構築する。

設備投資は新材料の製造と加工能力強化の2本立て。新材料用では、栃木県足利市に取得した土地に鋳造工場とラボを建設し、鋳造設備や検査装置を導入する。投資額は約25.7億円で、2027年4月の完了を予定する。
一方、加工用では本社工場内にマシニングセンターや研削盤、非破壊検査装置などを増設し、約24.5億円を投じる。こちらは2027年6月の完了を見込む。いずれも自己資金と借入金を充て、一部は経済産業省の助成金を活用する。

AeroEdgeは「新材料の安定供給と加工能力強化により、LEAPエンジン向けブレードの供給シェア拡大を実現する」としており、2026年6月期業績への影響は既に織り込み済み。航空機分野における事業基盤強化を加速させる考え。

<投資概要>

■ 新材料用設備投資
• 場所:栃木県足利市奥戸町1215
• 土地面積:7,640㎡
• 設備:鋳造工場建屋、鋳造ラボ建屋、鋳造設備、検査装置など
• 生産品目:LEAPエンジン用チタンアルミブレード(新材料)
• 投資額:約25.75億円
• 期間:2025年8月開始、2027年4月完了予定
• 資金調達:自己資金および借入金(一部、経産省助成金活用予定)

■ 加工用設備投資
• 場所:栃木県足利市寺岡町482-6(本社工場内)
• 設備:マシニングセンター、研削盤、非破壊検査装置、三次元測定機など
• 生産品目:LEAPエンジン用チタンアルミブレード(加工)
• 投資額:約24.46億円
• 期間:2025年8月開始、2027年6月完了予定
• 資金調達:自己資金および借入金(一部、経産省助成金活用予定)

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