旭化成、感光性絶縁材料「パイメル™」の生産能力を増強、富士工場に160億円投資

 旭化成(東京都千代田区)は8月22日、先端半導体向けに用いられる感光性絶縁材料(感光性ポリイミド)「パイメル™」について、生産能力増強を決定したと発表した。生成AIの普及を背景に需要拡大が続く中、静岡県富士市の既存工場敷地内に新たな設備を導入し、2028年度上期の商業運転開始を目指す。投資額は約160億円。

 同社は中期経営計画で「エレクトロニクス」を重点成長分野に位置づけており、積極的な資源投入を進めている。半導体の高度化・高集積化により層間絶縁膜市場が拡大する中、「パイメル™」は技術開発力や品質保証体制、ソリューション提案力を強みに、先端半導体分野で高い競争力を確保している。生成AI向け層間絶縁膜市場は年平均8%成長を見込んでおり、同社は2030年に生産量を2024年度比で2倍に引き上げる計画だ。

 2024年12月には富士市で新工場を竣工し供給体制を強化済みだが、さらなる需要拡大を見据え追加投資を決断した。

 常務執行役員でエレクトロニクス材料事業を担当する植竹伸子氏は、「生成AIをはじめとする先端半導体分野の高度化に欠かせない材料として高い信頼を得ている。今回の投資は将来の需要拡大に迅速に対応するものであり、当社の利益創出を牽引するとともに、高品質な製品の安定供給を通じて先端半導体分野を支えていく」とコメントしている。

<計画概要>
• 立地:静岡県富士市(既存工場敷地内)
• 生産品目:感光性絶縁材料「パイメル™」
• 投資金額:約160億円
• 生産量:詳細非開示(2030年時点で2024年度比2倍を予定)
• 稼働時期:2028年度上期商業運転開始予定

 ニュースリリース