米キャタピラー、ハント・エナジーと戦略提携、データセンター向けに最大1GWの電源供給へ

 Caterpillar Inc. (キャタピラー社 ):2025年8月21日

 テキサス州アービング、キャタピラー社とハント・エナジー(Hunt Energy Company, L.P. )は8月21日、データセンター向けに高効率かつ独立型の電源ソリューションを提供する長期的な戦略提携契約を締結したと発表した。常時稼働が求められるデータセンターの需要に対応するもので、まずテキサス州でのプロジェクトから始動し、北米全体で最大1GWの発電能力を整備する構想を掲げる。

 両社は、それぞれの強みを活かした共同事業を展開する。キャタピラーは天然ガスやディーゼル発電設備、ガスタービン、制御装置、エンジニアリング設計サービスを提供。さらに、先進的な監視・メンテナンス機能を通じ、電力網の有無に関わらず安定した電源供給を保証する。一方、ハント・エナジーはインフラ開発、プロジェクト資金調達、運用実績に加え、過去4年間で310MW超の実績を持つ蓄電池(BESS)事業の知見を活かす。

 キャタピラー電力部門シニアバイスプレジデントのメリッサ・ビューゼン氏は「ハントのインフラ開発の専門性とキャタピラーの電源技術を融合させ、データセンター運用に不可欠な高信頼性・高稼働率のソリューションを提供していく」とコメント。ハント・エナジーのハンター・ハントCEOも「テキサスから新たな電源インフラの時代を切り開く」と強調した。

 両社は合計190年の業界経験を持ち、エネルギー資産、戦略リソース、製品群、資本力を組み合わせることで、AI時代に対応した大規模インフラの展開を加速させる。将来的には北米以外への展開も視野に入れる。

■会社概要
 ハント・エナジーは1934年創業の米国系エネルギー・不動産開発企業。石油・ガス施設や送電網、LNGターミナルなど幅広いインフラを手がけ、現在はテキサス州で310MWの分散型エネルギー資産を運営中。今後1GW超への拡大を計画している。
 キャタピラーは2024年に648億ドルを売上げた世界最大の建設機械・鉱山機械メーカーで、発電設備や産業用ガスタービンなども展開。持続可能な社会の実現に向け低炭素化を進めている。

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