デンソーウェーブ、研究現場の自動化に新たな選択肢 「COBOTTA LAB Modules」でモジュール型システムを提供開始

・標準システムの枠を超え、現場ごとのニーズに柔軟対応

 デンソーウェーブ(愛知県知多郡阿久比町)は8月25日、研究業務の効率化を実現する新たなラボラトリオートメーションソリューション「COBOTTA LAB Modules」の提供開始を発表した。従来の標準システムに加え、現場の多様なニーズに対応できるモジュール型システムを新たにラインアップに追加する。

■労働力不足時代に対応した柔軟な自動化ソリューション
 少子化による労働力人口の減少が加速する中、製薬、食品、化学、環境分析などの研究・検査現場では、限られた人材でより高い成果が求められている。デンソーウェーブは、産業用小型ロボットとその周辺機器を組み合わせた半世紀近い知見を活かし、2024年からラボラトリオートメーションに本格参入。導入のしやすさと短期間での運用開始を可能にする標準システムを展開してきた。

 しかし、研究現場からは標準化されたシステムだけでは対応しきれない現場固有の要件や、研究内容の変化に伴うシステム構成変更への柔軟な対応が求められるようになったため、今回のモジュール型システムの開発に至った。

■自由度の高いモジュール構成で現場ごとの最適化を実現

「COBOTTA LAB Modules」は、標準化されたモジュールを自由に組み合わせることで、現場ごとの業務フローやスペースに最適な自動化を実現する次世代ソリューション。横一列の直線構成を基本とした独自の構造設計により、入れ替えや再配置が自在に行える点が特徴。

 システムの核となる人協働ロボット「COBOTTA」が走行軸を活用して各モジュール間を移動することで、複数モジュール間の連携も円滑に実行。プラグ&プレイ設計により、追加モジュールの接続や運用も簡単に行え、研究テーマの変更や拡張にも柔軟に対応できる。

■主な特長と導入メリット
 同システムの主な特長は以下の通り:

選ぶだけで即導入可能: 標準化されたモジュールを選択するだけで、複雑な設定や設計なしに運用を開始できる。

現場に合わせた自由構成: モジュールの組み合わせや配置が自在で、COBOTTAの走行により広範囲をカバーし多様なニーズに対応。

簡単拡張・再構成: シンプルな接続構造により追加や組み換えがスムーズで、研究の進展やテーマ変更にも柔軟に対応。

省スペース設計: 協働ロボット採用により安全柵が不要で、限られたラボスペースにも無理なく導入可能。

データ管理・トレーサビリティ対応: 作業履歴やデータの一元管理により、再現性の高い研究環境を実現。

■9月のJASIS 2025で初展示
 デンソーウェーブは、9月3日から5日まで幕張メッセで開催される「JASIS 2025」において、「COBOTTA LAB Modules」で構成されたデモ機「HPLC前処理システム」を初展示する予定。実際のシステム構成や動作を確認できる機会となる。

 同社は今後も新たなモジュールを順次追加し、変化し続ける研究現場に最適な自動化環境を提供していくとしており、持てる自動化技術と知見で社会・産業の効率化推進に貢献していく方針。

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