ダンフォス(Danfoss):2025年8月21日
ダンフォス(デンマーク・ノードボー)は8月21日、2025年上期(1~6月)の業績を発表した。売上高は48億7,800万ユーロ(前年同期比▲4%)、営業利益(EBITA)は5億900万ユーロとなり、営業利益率は10.6%を確保した。変動の激しい経営環境の中でも堅調な業績を維持し、通期見通しを据え置いた。
上期は各事業セグメントの在庫調整が進み、第2四半期にプラス成長へ転じた。営業利益率は第2四半期に11.5%と改善し、収益力を維持した。フリーキャッシュフローは▲1億6,700万ユーロで前年同期を下回ったが、通期では計画達成を見込んでいる。
(1ユーロは約172円)
■セグメント別動向
<パワーソリューション(Power Solutions)>
モバイル油圧市場の低迷が響き、売上高は20億8,600万ユーロ(前年同期22億3,500万ユーロ)、有機的成長率は▲6%となった。米国農業・建設市場の需要減少が主因。ただし第2四半期末にはデータセンター向けソリューションが下支えとなり、成長に復帰した。営業利益率は11.0%(前年同期11.6%)。上期には新型オープン回路ピストンポンプ「X1P」を投入し、小型建機向け需要の開拓を進めている。
<クライメートソリューション(Climate Solutions)> 好調を維持し、売上高は15億8,700万ユーロ(前年同期14億9,200万ユーロ)、有機的成長率は+7%。データセンター需要や冷媒転換需要が成長をけん引した。圧縮機分野では油レス「Turbocor®」、スクロール、BOCK®半密閉式コンプレッサーのラインアップ拡充に投資を行い、営業利益率は15.8%(前年同期14.3%)に改善した。
<パワーエレクトロニクス&ドライブ(Power Electronics and Drives)>
売上高は11億500万ユーロ(前年同期12億5,900万ユーロ)、有機的成長率は▲12%。市場の在庫調整や欧州自動車市場の低迷で販売は落ち込んだが、受注は改善傾向にある。低圧ドライブ事業が堅調で、データセンター、空調(HVAC)、上下水道分野が伸びた。iC7 HybridやiC7 Marine製品群の拡充も進め、営業利益率は6.6%(前年同期10.5%)となった。
■新戦略「LEAP 2030」と投資強化 同社は新たに「LEAP 2030」戦略を始動し、データセンターやインド市場など成長分野への投資を加速。研究開発費は2億6,600万ユーロ(売上比5.6%)と前年から増加し、主要製品群の開発強化を進めた。
また、メキシコ新工場の完成、中国での新キャンパス建設、米国30拠点以上での増産投資など、地域ごとの生産体制強化を推進。北米の全拠点は再生可能エネルギー100%に切り替え、持続可能性の取り組みも前進した。
■CEOコメント
キム・ファウシング社長兼CEOは「変動の大きい環境の中でも、お客様への価値提供を最優先にしている。新たなオペレーティングモデルの導入により意思決定の迅速化と責任体制の強化を図り、持続的成長を実現する」と述べた。
■通期見通し
2025年通期は売上95億~110億ユーロ、営業利益率10.8~12.3%を見込む。
コメントを投稿するにはログインしてください。