コマツ、新型電動ミニショベル「PC20E-6」を欧州で販売開始

 Komatsu Europe International N.V.(コマツヨーロッパ):2025年8月21日

 コマツは8月、欧州において新型電動ミニショベル「PC20E-6」の市販を開始した。フル充電で実作業に必要な1日の稼働を可能とし、ゼロエミッションを求められる屋内や住宅地などの騒音制限のある現場でも活用できる。

 PC20E-6は、出力11.8kWの電動パワートレインと23.2kWhのバッテリーを搭載し、機械質量は2,110kg。欧州で開発した駆動システムにより、品質管理と電動部品の保証を強化した。さらに、コマツは同機を購入した顧客向けに「Eサポート」プログラムを無償提供する。内容は、コマツ認定技術者による純正部品を用いた定期無償点検、機械本体の3年または2,000時間保証、電動ドライブライン主要部品の5年または1万時間保証で構成される。

 開発にあたっては、コマツの稼働管理システム「Komtrax」を用い、4万稼働日分のミニショベルの使用実態を分析。その結果、90%の機械が1日あたり3.5時間未満の作業であることが判明し、これを基準に稼働時間を設計した。稼働時間はモード別で約3時間20分(P)、3時間40分(E0)、4時間(E1)。ランチ休憩中の急速充電にも対応し、標準で230V・3kWのオンボード充電に加え、2025年10月からは400V・12kWの外部急速充電器も選択できる。

 従来のエンジン式PC20と比べ、日常点検項目を大幅に削減したことも特徴で、燃料タンクの水抜きやエンジンオイル補充などが不要となった。さらに、IDキーによる稼働管理機能を標準搭載し、最大255名分のオペレーター登録が可能。再利用率99%の設計により、環境配慮型入札案件にも対応できる。

 コマツは、電動フォークリフトの実績を含むデータ分析から、バッテリーの寿命を約10年と想定。電動建機分野の普及に向け、顧客リスクを軽減しながら、効率的かつ持続可能な現場運用を後押しする。

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