RS Technologies、台湾でウェーハ再生事業を大幅増産

・第2工場取得、2030年度までに月産30万枚体制へ

・半導体需要拡大を受け設備投資加速

 RS Technologies(東京都品川区)は8月13日、ウェーハ再生事業を展開する台湾子会社が第2工場を取得し、大規模な増産設備投資に乗り出すと発表した。2030年度までに月産最大30万枚の生産能力を構築し、急拡大する半導体市場の需要に対応する。

 同社グループのウェーハ再生事業は、半導体メーカーやファウンドリから使用済みテストウェーハを預かり、新品同様に再生加工して返却するリサイクル事業。IoTやAI対応需要の拡大、プロセスノードの微細化といった技術革新により、半導体市場の急成長とともに顧客のテストウェーハ使用数も増加傾向にある。

 新工場は台湾の連結子会社「艾爾斯半導体股份有限公司」が台南サイエンスパーク内に設置。現在の台湾工場から徒歩8分の立地で、総建物面積22,767平方メートルの5階建て施設を取得した。隣接立地により工場運営のラーニングカーブ短縮とコスト低減効果を見込んでいる。

 生産計画では2027年度中に月産5万枚からスタートし、段階的に拡大。2028年度中に20万枚、2029年度中に25万枚、2030年度中には30万枚体制を目指す。ただし、市況状況により調整する可能性があるとしている。量産開始は2027年下期を予定している。

 同社は祖業のシリコンウェーハ再生事業で世界シェア1位を誇る。特に台湾工場では、半導体市場の成長をけん引する台湾大手ファウンドリメーカーからの需要割合が大きく、今回の増産投資により更なる事業拡大を図る構えだ。

 なお、本設備投資の2025年12月期連結業績への影響はないとしており、次年度以降の業績への影響については適宜開示するとしている。

 同社は「地球環境を大切にし、世界の人々に信頼され、常に創造し挑戦する」を経営理念に掲げ、2010年の設立以来M&Aによる事業再生を通じてグローバル展開を進めている。2023年には再生可能エネルギー事業にも参入し、多角化戦略を推進している。

 ニュースリリース