・水道インフラ更新需要の高まりを受け、事業拡大に向けた人材戦略を強化
水道機工(東京都世田谷区)は8月21日、ベステラ(東京都江東区)の子会社であるヒロ・エンジニアリング(東京都新宿区)と3Dビジュアル(千葉市美浜区)の全株式を取得することについて、基本合意書を締結したと発表した。
■買収の背景と狙い
同社の主力市場である浄水場等の水道インフラ分野では、施設の老朽化に伴う更新・修繕ニーズが加速度的に高まっている。これに対応するため、設計を含めた設備管理の人員整備が急務となっており、今回の買収により設計人材の確保を図る狙い。
水道機工は「両社の全株式保有を通じた設計人材確保が、当社事業拡大に資する」と判断し、買収を決定した。
■買収対象会社の概要
<株式会社ヒロ・エンジニアリング>
設立: 2015年5月
所在地: 東京都新宿区高田馬場
代表者: 小池明社長
事業内容: 労働者派遣事業、設計請負事業
資本金: 2,750万円
<3Dビジュアル株式会社>
設立: 2019年12月
所在地: 千葉県千葉市美浜区
代表者: 韓相牧社長
事業内容: 3Dスキャン・モデリング事業、設計請負事業、解析事業
資本金: 2,750万円
■財務状況
両社の2025年1月期の業績は以下の通り:
・ヒロ・エンジニアリング
- 売上高:1億94百万円
- 営業利益:2百万円
- 総資産:56百万円
・3Dビジュアル
- 売上高:1億25百万円
- 営業損失:58百万円
- 総資産:61百万円 3Dビジュアルは営業赤字が続いているものの、先端技術である3Dスキャン・モデリング技術を有しており、水道機工にとっては技術力強化の観点からも価値のある買収と位置づけられる。
■売却元のベステラについて
売却元のベステラ株式会社は、大型プラント等の解体工事や設計・コンサルティング、3D計測事業などを手がける企業。1974年設立で、東証プライム市場に上場している。
■今後のスケジュール
基本合意書締結: 2025年8月21日(完了)
最終契約書締結: 2025年10月31日(予定)
株式取得完了: 2025年11月28日(予定)
取得価額については、当事者間の守秘義務契約により非公開としている。
■業績への影響
水道機工は「連結業績に与える影響は軽微」としているが、人材確保による事業拡大効果は中長期的に期待される。今後開示が必要な事項が生じた場合には、速やかに開示するとしている。