・世界初、臨床検査機器まで自動投入
藤田医科大学と川崎重工業は8月21日、藤田医科大学岡崎医療センター(愛知県岡崎市)で、サービスロボットを活用した臨床検体配送の自動化実験に成功したと発表した。配送から臨床検査機器への自動投入までをロボット同士が連携して行うのは世界初の事例という。医療現場の人手不足解消や従事者の負担軽減につながる技術として注目される。
実証実験は8月4日から6日にかけて実施。川崎重工が開発した屋内配送用ロボット「FORRO(フォーロ)」が病棟から検査室まで検体を運搬し、アーム付き自律走行ロボット「Nyokkey(ニョッキー)」がFORROの荷室から検体を取り出し、検査装置に投入する一連の作業をこなした。
また、川崎重工の位置情報ソリューション「mapxus Driven by Kawasaki」を用い、導入による業務効率化を定量的に検証。看護師や臨床検査技師の移動距離をデバイスで計測し、ロボット導入が業務負荷削減にどの程度寄与するか評価した。実証には愛知県の「ロボット未活用領域導入検証補助金」も活用された。
高齢化に伴う医療需要の拡大に対し、医療従事者の人員確保は全国的に課題となっている。川崎重工は「ヒトはヒトにしかできないことを。」を掲げ、医療やサービス現場にロボットを普及させる方針だ。藤田医大も今回の成果を足掛かりに、医療従事者が専門業務に専念できる環境整備を進める構えだ。
業界では、工場や物流倉庫を超えて、医療や介護といった人手不足が深刻な分野へロボットの活用範囲を広げる動きが加速している。藤田医大と川崎重工による今回の事例は、医療分野のさらなる自動化を後押しする可能性がある。
詳細は、ニュースリリース
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