ヤンマー、ブラジルに新工場建設、2億8,000万レアル(約76億円)投資で生産能力拡大

・年間トラクター生産能力を現在の5,000台から7,000台に増強

 Yanmar Holdings Co., Ltd.(ヤンマーホールディングス株式会社):2025年8月18日

 ヤンマーホールディングス株式会社は8月15日、ブラジル・サンパウロ州インダイアトゥーバ市に2億8,000万レアル(約76億円、27円換算)を投資し、新工場を建設すると発表した。2030年までに段階的に完成予定の本プロジェクトは、生産能力の拡大、事業統合、プロセス最適化により、増大する市場需要に対応することを目的としている。

■新工場の概要
 新工場は14万平方メートルの敷地面積を持ち、現在の現地工場の3倍の規模となる。初期段階では、年間トラクター生産能力を現在の5,000台から7,000台に増強し、2029年までに約100名の直接・間接雇用を創出する見込みだ。第1期工事として3万6000平方メートルの施設が2027年に稼働開始予定となっている。

 新工場では、自動化された組立ライン、物流システムの改善、先進的な安全・人間工学システムを導入し、製造業務の近代化を図る。また、自然採光、太陽光発電、自動照明制御システムなどの持続可能性機能を取り入れ、ヤンマーのグローバルな環境目標に沿った施設とする方針。

■市場戦略と今後の展望
 ヤンマー南米のイノベーション・マーケティングマネージャーであるワグナー・サンタニエロ氏は、「この新工場は市場需要に応え、ブラジルでの成長を促進するために不可欠です。トラクター市場でのシェアを現在の10%から12%に拡大しながら、ミニ油圧ショベルでのリーダーシップを維持し、他のセグメントでも事業拡大を目指します」とコメントした。

 新プロジェクトでは、製造部門と管理・営業・経営部門を統合し、より高い業務シナジーを実現する。また、日本で実績のある製造技術を基盤とした「ヤンマー生産システム」を導入する予定だ。

■ヤンマーのブラジル事業
 ヤンマーは65年以上にわたってブラジルで事業を展開しており、インダイアトゥーバ拠点で300名以上を雇用している。今回の新工場建設により、同社の南米市場での競争力強化が期待される。

■ヤンマーについて
 ヤンマーは1912年に大阪で創業し、1933年に世界で初めて実用的な小型ディーゼルエンジンの製造に成功した。ディーゼルエンジン技術のパイオニアとして、小型・大型エンジン、農業機械・施設、建設機械、エネルギーシステム、マリン、工作機械、コンポーネントなど、7つの事業領域でグローバルに事業を展開している産業機器メーカーである。陸上、海上、都市部において、お客様が直面する課題に対する先進的なソリューションを提供し、持続可能な未来の実現に貢献している。

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