神戸製鋼所、サウジアラビアに新サービス拠点設立へ

・中東のアフターサービス網を強化、産業需要拡大に対応

 神戸製鋼所(KOBELCO)は8月20日、サウジアラビアにおいて新たなサービス拠点 「Kobelco Machinery Solution Arabia(KMSA)」 の設立に着手したと発表した。同拠点は非汎用圧縮機や樹脂混練造粒装置を対象としたメンテナンスや補修工事、技術指導を担い、中東地域におけるアフターサービス体制を一段と強化する。

■背景に拡大するエネルギー関連需要と現地要請
 神戸製鋼の機械事業部門が得意とする非汎用圧縮機や樹脂混練造粒装置は、発電設備や石油化学プラント、LNG施設などで幅広く利用される重要機器で、同社は長年にわたり中東各国へ多数の納入実績を持つ。
中でもサウジアラビアは最大の市場の一つで、同社の中東販売額の約6~7割を占める。近年は政府が掲げる産業政策「VISION2030」により、整備や技術人材のサービス提供を国内企業に拠点を置く外資に優遇する動きが加速。その流れを受け、同社はすでにUAEで展開している「Kobelco Machinery Middle East(KMME)」に加え、サウジアラビア国内にKMSAを開設する判断に至った。

■設備の安定稼働へ迅速対応
 同社製品は顧客仕様に合わせたオーダーメイド品が多く、代替が難しいため、万一のトラブル時に迅速なサポート体制が重要となる。新拠点では、現地でのオーバーホールや補修工事のほか、技術指導員を派遣することで、従来のスペアパーツ供給にとどまらない包括的なサービスを提供する。

■経営計画との連動
 今回の新拠点は、KOBELCOグループが中期経営計画(2024~2026年度)で掲げる「KOBELCO-X」の取り組みの一環。機械事業における「稼ぐ力の強化」と「成長追求」を具体化する施策と位置づけられている。

<新拠点の概要>
• 名称:Kobelco Machinery Solution Arabia(KMSA)
• 所在地:サウジアラビア・ジュバイル工業都市
• サービス内容:メンテナンス、オーバーホール、技術指導員派遣
• 設立予定:2025年末頃

 神戸製鋼所は「中東におけるサービス体制を強化し、顧客の操業をこれまで以上に支えることで、更なる事業成長につなげたい」としている。

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