プライメタルズ、JSPインド工場の厚板圧延機近代化工事を受注

・稼働率向上と予備品安定調達を目指す自動化システム更新

 ロンドン発 – 三菱重工グループのプライメタルズ テクノロジーズ( Primetals Technologies)は8月13日、インドの大手鉄鋼メーカーであるジンダル スチール アンド パワー(Jindal Steel and Power:JSP)から、オディシャ州アヌグルにある5メートル厚板圧延機の近代化工事を受注したと発表した。

■インド初の最先端自動化システム導入
 今回の工事では、レベル1およびレベル2の自動化システムを全面更新し、稼働率の向上と予備品の安定調達を実現する。特筆すべきは、先進的なSIMATIC S7-1500制御システムと、Totally Integrated Automation(TIA)ポータルの最新WinCCソフトウェアが導入される点だ。この規模の圧延機でTIAポータルが使用されるのは、インドでは今回が初めてとなる。
また、すべてのサーバーを仮想化することで、サーバーインフラのライフサイクル管理の効率化も図られる予定だ。工事完了は2026年1月から3月を予定している。

■年産120万トンの大型設備を効率化
 対象となるJSPアヌグル拠点の5メートル厚板圧延機は、年間120万トンの生産能力を持つ大型設備。厚さ5〜350ミリメートル、幅900〜4,800ミリメートルの厚板を製造している。
 現在、同工場では旧式の自動化システムが原因で予期せぬダウンタイムが発生しているが、今回の近代化により安定した運転とダウンタイムの大幅な削減が期待される。

■オペレーターへの配慮も万全
 新システム導入時の運用面にも配慮が払われている。ヒューマンマシンインターフェース(HMI)の主要機能は移行期間中も維持されるため、オペレーターや保守スタッフは即座にシステム操作に対応でき、フル生産までの立ち上げ期間が短縮される見込みだ。
 さらに、新しいソフトウェアパッケージやシステムアップデートの将来的な統合も容易になり、システムの拡張性と持続的な進化が可能となる。

■世界規模で展開するJSP
 発注者であるジンダル スチール アンド パワー(JSP)は、鉄鋼、鉱業、インフラ分野で強い存在感を持つ産業界の中核企業だ。世界中で総額120億ドルに及ぶ戦略的投資を行い、生産能力の最大活用と操業効率の継続的な向上を図っている。
 同社は鉄鋼業界の先導者として、カーボンフットプリントの削減と持続可能な操業にも積極的に取り組み、責任ある産業成長における新たな標準を築いている。

■プライメタルズについて
 プライメタルズ テクノロジーズは本社を英国ロンドンに置き、金属鉄鋼産業におけるエンジニアリング、プラント建設、およびライフサイクルサービス提供の世界的リーダー。電機、オートメーション、デジタライゼーション、環境の総合ソリューションを提供し、原材料から完成品まで鉄鋼のあらゆる分野を網羅している。三菱重工グループ100%出資のグループ会社で、全世界で約7,000人の従業員を擁する。

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