荏原製作所は8月14日、2025年12月期第2四半期(1–6月)連結決算を発表した。売上収益は4,487億円(前年同期比13.7%増)、営業利益500億円(同25.3%増)、経常利益461億円(同9.4%増)、親会社株主に帰属する純利益は313億円(同7.3%増)といずれも過去最高を更新。EPS(1株当たり中間利益)は67.84円(同7.2%増)だった。
■経営成績等の概況
全体の業績は、生成AI向けを中心とする半導体関連需要や環境事業の伸長が牽引。中核の精密・電子セグメントが堅調に推移し、環境やインフラも好調だった。原材料費や人件費増加などコスト増もあったが、売上増効果がこれを上回り、利益面で大幅な増益を確保した。一方、中国市場の減速や一部事業での貸倒引当金計上、前期の土地売却益の反動減が収益をやや圧迫した。
■セグメントごとの経営成績
<事業別>
• 建築・産業:売上高1,138億円(前年同期比0.8%減)、営業利益69億円(同12.0%減)。国内S&S(保守サービス)は好調も、中国市場は厳しい状況。
• エネルギー:売上高1,090億円(同17.7%増)、営業利益111億円(同48.9%増)。北米とアジアでの大型案件、サービス分野の伸長が寄与。
• インフラ:売上高326億円(同26.3%増)、営業利益56億円(同81.9%増)。国内公共向け案件やアフターマーケットが堅調。
• 環境:売上高420億円(同9.6%増)、営業利益44億円(同22.7%増)。O&M分野が大きく伸長。
• 精密・電子:売上高1,505億円(同23.1%増)、営業利益234億円(同21.5%増)。生成AIを追い風に、半導体製造装置・部材ともに需要増。
<地域別>
• 日本:売上高2,252億円(構成比50.2%、前年比17.5%増)、営業利益226億円(同32.0%増)。
• 北米:売上高905億円(構成比20.2%、同22.5%増)、営業利益99億円(同59.7%増)。
• アジア(日本以外):売上高983億円(構成比21.9%、同4.8%増)、営業利益122億円(同8.4%減)。
• その他:売上高344億円(構成比7.7%、同1.4%減)、営業利益38億円(同4.3%増)。
■連結業績予想・見通し(2025年12月期通期)
通期見通しは、売上高9,000億円(前期比3.8%増)、営業利益1,025億円(同4.6%増)、経常利益1,015億円(同1.7%増)、親会社純利益724億円(同1.4%増)、EPS156.72円(同1.4%増)とした。5月15日公表値から営業利益を10億円上方修正した。
修正理由は、精密・電子、環境セグメントの収益好調や事業環境好転による。米国関税政策、国際情勢の不透明感を引き続き注視も「現時点で業績への影響は軽微」としている。
荏原は中期経営計画「E-Plan2025」に基づく投資も積極化。生成AIシフトを追い風に、半導体向け増産や環境O&M、インフラ老朽化対応など中長期成長の布石を打つ。自己株取得枠も設定し、株主還元姿勢を強めている。
詳細確認は、下記参照。
荏原製作所の2025年12月期第2四半期決算短信
決算説明会資料