・関税の影響で下半期は慎重な見通し
Manitowoc Company (マニトワック社):2025年8月7日
ミルウォーキー、8月7日 – 建設・産業用クレーンの世界的メーカーであるマニトワック社(NYSE: MTW)は7日、2025年第2四半期(4〜6月)の業績を発表した。受注高は前年同期比6.0%増の4億5,390万ドルと堅調に推移したものの、売上高は4.0%減の5億3,950万ドルとなった。
■主要業績ハイライト
第2四半期の純利益は150万ドル(希薄化後1株当たり0.04ドル)となった。調整後純利益は280万ドル(同0.08ドル)だった。
受注増により受注残高は7億2,930万ドルに積み上がった。一方、売上高の減少により調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は2,630万ドルと前年同期比26.9%の大幅減となった。
注目すべき点として、新車以外の売上(サービス・中古車等)が前年同期比9.7%増の1億6,160万ドルと好調だった。
■CEO「関税影響で米国市場の新均衡まで6か月」
アーロン・H・レーベンスクロフト社長兼CEOは「第2四半期は、MGX流通事業の好調とヨーロッパのタワークレーン市場の継続的な回復により、関税による逆風にもかかわらず6%の受注成長を達成した」と述べた。
ただし今後の見通しについては慎重で、「多くの貿易取引が発表されているが、米国のクレーン市場が新たな均衡を見つけるまでに6か月かかると予想している。そのため、下半期の生産スケジュールを調整し、通期業績はガイダンスレンジの下限で着地する見込み」と説明した。
■中長期は楽観視、「市場に新芽が見える」
一方で、レーベンスクロフトCEOは中長期的には楽観的な見方を示している。「『大貿易リセット』は2025年を通して続くと予想するが、市場には新芽が見えている」として、以下の好材料を挙げた:
•ドイツが大規模インフラ基金と有利な減価償却制度を発表するなど、欧州経済全般が改善
•欧州のタワークレーン事業が回復継続
•中東市場が活発で、アジア太平洋地域でも複数の改善が見え始めた
•米国ではクレーンレンタル会社が忙しく、販売店在庫が縮小している
「これらすべてが、関税環境が安定すればクレーン業界にとって良い兆候」(同CEO)と締めくくった。
■Manitowoc Company (マニトワック社)について
マニトワック社は1902年創業の老舗重機メーカーで、本社はウィスコンシン州ミルウォーキー。Aspen Equipment、Grove、Manitowoc、National Crane、Potain、Shuttleliftなどのブランドで、油圧式移動クレーン、格子ブームクローラークレーン、ブームトラック、タワークレーンなどを設計・製造・販売している。世界有数のエンジニアリングリフト製品・サービス事業者として120年超の歴史を持つ。
詳細は、下記参照。
2024年アニュアルレポート(参考)
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