ワッカー・ノイソン、25年上期売上は11%減の10.7億ユーロ、通期見通しは維持

 Wacker Neuson(ワッカー・ノイソン):2025年8月14日

 ミュンヘンに本拠を置く建機・小型機械メーカー大手のワッカー・ノイソン・グループは、2025年上半期(1~6月)の決算を発表し、3月26日に公表した通期見通しを維持する方針を示した。上半期の売上高は前年同期比10.8%減の10億7,490万ユーロ(約1,849億円、172円換算)となった。地域別では、欧州(EMEA)が9.8%減の8億3,520万ユーロ、アメリカが13.1%減の2億1,780万ユーロ、アジア太平洋地域が23.4%減の2,190万ユーロと全地域で減収となった。一部の南欧・北欧・東欧市場ではプラス成長を示したものの、全体の減少傾向を打ち消すには至っていない。

 ワッカーノイソン2025年第2四半期データ

 EBIT(利払い・税引き前利益)マージンは上半期で5.2%と前年同期より1.8ポイント低下したが、第2四半期に限れば7.6%と、前期の2.5%から大幅に改善した。これは、2024年に着手した効率化とコスト抑制策の効果に加え、年初以降に積み上がった受注残高が寄与した結果とみられる。

 営業キャッシュフローの増加により、フリーキャッシュフローは上半期で6,770万ユーロに拡大し、前年同期の450万ユーロを大きく上回った。第2四半期単独のフリーキャッシュフローも4,830万ユーロと前年同期を超えた。なお、2025年6月末の現金および現金同等物は2,400万ユーロとなっている。

 また、純運転資本比率が前年同期の36.3%から32.8%へ改善し、運転資本の効率的な管理が進んでいることを示した。2024年末時点の純運転資本比率は31.7%だった。

 ワッカー・ノイソン・グループのカール・トラーグルCEOは、「世界的に変動の激しい環境が継続するなかで、市場回復は緩慢だが、年間目標を堅持する」と述べた。コスト管理の徹底が奏功しており、ドイツのインフラ特別基金などの経済刺激策も短期から中期にかけての追い風になっているという。

 通期見通しは、連結売上高21億〜23億ユーロ、EBITマージン6.5〜7.5%、年間設備投資約1億ユーロ、年末の純運転資本比率は30%前後を維持する計画だ。

■企業概要
 ワッカー・ノイソングループは約6,000人従業員を抱える国際的な企業ネットワーク。Wacker Neuson、Kramer、Weidemannの製品ブランドで、建設・造園・農業・自治体・リサイクル・鉄道輸送業界向けに幅広いソリューションとサービスを提供。フランクフルト証券取引所Prime Standard上場(ISIN: DE000WACK012、SDAX構成銘柄)している。

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