油研工業、25年4〜6月期は増収増益も通期予想を下方修正

・台湾ドル高で為替差損、経常益18.9%減

 油圧機器メーカーの油研工業は8月8日、2026年3月期第1四半期(25年4〜6月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比0.4%増の76億22百万円、営業利益は同6.8%増の3億38百万円となり、増収増益を確保した。一方で、台湾ドル高の影響による為替差損の発生により、経常利益は同18.9%減の3億86百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同15.8%減の2億37百万円と減益となった。1株当たり四半期純利益は62.79円(前年同期は72.70円)だった。

■経営成績等の概況
 当期の世界経済は米国の政治・経済政策による不確実性や地政学的リスクの継続等、予断を許さない状況が続いた。日本経済も雇用・所得環境の改善の下で緩やかな回復基調を維持したものの、米国の政策動向による影響や物価上昇等により先行きは不透明な状況となっている。営業利益の増加要因としては、売上高の微増と販売費及び一般管理費の削減効果が寄与した。一方、経常利益段階では為替差益が前年同期の1億19百万円から5百万円に大幅縮小したことが影響し、減益となった。

■セグメント別の経営成績
日本セグメント: 売上高32億59百万円(前年同期比6.9%増)と好調だったが、営業損失10百万円(前年同期は営業利益48百万円)と赤字に転落した。
アジアセグメント: 売上高42億15百万円(同4.5%減)と減収となったが、営業利益2億98百万円(同9.7%増)と増益を確保。収益性の改善が見られた。
ヨーロッパセグメント: 売上高1億47百万円(同12.4%増)と二桁の増収を達成したが、営業利益2百万円(同52.5%減)と大幅減益となった。
 海外売上高比率は61.7%(前年同期は63.7%)となり、2.0ポイント低下した。

■通期業績予想を下方修正
 同社は2026年3月期の連結業績予想を修正した。売上高は324億円(前回予想322億円)に上方修正したものの、営業利益は16億円(同18億円)、経常利益は14億円(同17億50百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億50百万円(同10億50百万円)にそれぞれ下方修正した。1株当たり当期純利益は225.99円の予想となっている。

修正理由: 台湾において台湾ドル高の影響を受けて為替差損が発生しており、第2四半期累計期間および通期の経常利益、純利益が前回予想を下回る見込みとなったため。売上高と営業利益については概ね前回予想通りに推移している。
 また、配当予想についても修正を行い、中間配当60円の実施を決定。年間配当は150円(期末90円)を予定している。

 詳細確認は、下記参照。

 油研工業の2026年3月期第1四半期決算短信

 業績予想修正に関する資料