日精樹脂工業、25年4〜6月期は営業赤字に転落、射出成形機需要の低迷響く

 射出成形機大手の日精樹脂工業は8月14日、2026年3月期第1四半期(25年4-6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.5%増の98億9,000万円と微増となったものの、主力の射出成形機需要の低迷により営業損失は1億3,600万円(前年同期は9,300万円の黒字)と赤字に転落した。一方、為替差益2億4,200万円の計上により経常利益は29.2%増の3億4,700万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億900万円(前年同期は4,300万円の赤字)と大幅な増益となった。1株当たり純利益は10円90銭(前年同期は2円30銭の赤字)。

■経営成績等の概況
 国内外の設備投資需要の停滞が続く中、同社は積極的な販促キャンペーンを通じて需要の掘り起こしを実施。売上高は微増を確保したが、主力製品である射出成形機の需要低迷に加え、関連する周辺機器等の需要も伸び悩んだ結果、営業赤字となった。利益面では、円安進行に伴う為替差益が大きく寄与し、経常段階以降では増益を確保した。

■セグメント別業績
日本:射出成形機の需要低調により、売上高(外部売上高)は30億3,600万円(前年同期比15.5%減)、セグメント損失は2億1,400万円(前年同期は1億2,400万円の利益)と大幅な悪化となった。
欧米地域:政策動向の不確実性や地政学リスクの高まりにより射出成形機の需要が低下。売上高(外部売上高)は40億6,500万円(同12.3%増)と増収を確保したものの、セグメント損失は1億9,300万円(前年同期比3.1%増の赤字)となった。
アジア地域:中国市場において自動車・IT関連需要の回復に伴い売上は堅調に推移。売上高(外部売上高)は27億8,800万円(同9.9%増)となったが、セグメント利益は2,400万円(同82.9%減)と大幅な減益となった。

■製品別売上高
  射出成形機:71億900万円(3.4%増)/ 周辺機器:3億4,000万円(17.3%減)/ 営業部品:19億7,800万円(9.5%減)/ 金型等:4億6,100万円(68.7%増)

■業績予想
 2026年3月期通期の連結業績予想は、6月30日公表の数値から変更なし。売上高442億円(前期比6.9%減)、営業利益10億円(同126.2%増)、経常利益9億円(同162.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億5,000万円(同619.4%増)、1株当たり当期純利益28円59銭を見込む。第2四半期累計期間についても、売上高211億円(同4.3%減)、営業利益6億円(同297.3%増)、経常利益6億円(同209.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3億5,000万円(同460.1%増)の予想を据え置いた。
 同社は「中国市場で需要の回復が見られるものの、国内および欧米での需要は低調で推移している」と市況の厳しさを説明。今後も積極的な販促活動を通じて需要の掘り起こしを進める方針を示した。

 詳細確認は、下記参照。
 日精樹脂工業の2026年3月期第1四半期決算短信
 決算補足資料