三井E&S、25年4〜6月期は営業利益が2倍超に急伸、舶用・物流システムが好調

・売上高15.8%増、二元燃料エンジンや大型工事が寄与

 三井E&Sが8月6日に発表した2026年3月期第1四半期(2025年4-6月)の連結決算は、売上高が前年同期比15.8%増の811億51百万円、営業利益が同106.9%増の88億96百万円となった。経常利益は17.2%増の101億48百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は74.9%減の72億14百万円だった。1株当たり四半期純利益(EPS)は71.50円(前年同期は283.69円)。

■主力2事業が収益を押し上げ
 業績好調の主因は、舶用推進システム事業における二元燃料エンジンの引き渡し台数増加と、物流システム事業での大型工事の順調な進捗にある。売上高の増加に加え、両事業とも損益改善が進み、営業利益は前年同期の42億99百万円から88億96百万円へと倍増した。営業利益率は11.0%と高水準を維持している。一方、四半期純利益は前年同期の関係会社株式売却益(253億32百万円)の反動減により大幅減少となった。今期の関係会社株式売却益は2億76百万円にとどまった。

■セグメント別業績
 舶用推進システムが最大の収益源となっており、受注高は前年同期比26.8%減の413億35百万円だったものの、売上高は15.8%増の380億8百万円、営業利益は69.1%増の41億16百万円と大幅増益を達成。二元燃料エンジンの引き渡し増加とアフターサービス事業の好調が寄与した。
 物流システムでは東南アジア向け大型案件の受注により、受注高が93.4%増の209億46百万円、売上高は20.5%増の158億58百万円、営業利益は271.9%増の29億39百万円と急伸。大型工事の採算改善も利益押し上げ要因となった。
 成長事業推進は受注高91億53百万円(前年同期並み)、売上高81億32百万円(8.7%増)、営業利益10億12百万円(前年同期並み)。
 周辺サービスは大口工事受注により、受注高が87.4%増の173億2百万円、売上高は17.1%増の191億6百万円、営業利益は239.6%増の8億74百万円となった。

■通期予想は据え置き
 2026年3月期の通期連結業績予想は、売上高3,400億円(前期比7.9%増)、営業利益240億円(同3.8%増)、経常利益230億円(同17.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益200億円(同48.8%減)、1株当たり当期純利益198.23円を据え置いた。
 同社では「好調な滑り出しとなったが、外部環境の不透明感を踏まえ、通期見通しは期初計画から変更しない」としている。前提為替レートは1ドル=140円。

■格付け向上と事業展開
 トピックスとして、7月18日に日本格付研究所(JCR)から長期発行体格付けについて、前回から2ノッチ引き上げとなる「BBB+」(安定的)を取得。主力事業の競争力維持と財務体質改善が評価された。

 また、港湾クレーン事業ではベトナム最大の物流拠点の一つであるPhuoc An Port向けに、岸壁用コンテナクレーン11基とタイヤ式電動トランスファークレーン11基を受注。東南アジア市場での事業展開を加速させている。

 詳細確認は、下記参照。

 三井E&Sの2026年3月期第1四半期決算短信
 決算説明資料